お掃除と抗争
あの後、結局帰らなかった俺は兄貴分達にそりゃーもうからかわれた。疲れきって帰宅したのだけれども。もう寝ちまいたかったけど、”女関係改めねーと、”頭に言われた言葉がふと頭に過ぎる。
別に俺は心の事が好きな訳じゃねェ。
ただなんとなく、それだけ。
市の指定のゴミ袋を取り出し、部屋の隅から隅まで見て今まで女が置いてった物を突っ込んでいく。別に、意味なんてない。ただなんとなくだ。俺は断じて恋なんてしちゃいねー。
そう、断じて気にしちゃいねェ。
日付も変わる頃、ゴミを纏め終えてマンションのゴミ置き場に捨ててきた。部屋に戻って煙草に火をつけ、そろそろ風呂入って寝ようか、なんてそんな時携帯が着信を告げる音がする。画面を見れば、さっき別れたばかりの頭からで。
電話に出れば休戦協定が解除されたからすぐ工場に来いと言われ、急いでバイクの鍵引っ掴んで家を出た。
こりゃ暫く学校も行けそうにねェな。
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