「こんにちわ、お義父さん」

「やぁ、貞治君。でも君にお義父さんって呼ばれる筋合いはないな」

「…じゃあ…精市さん…?」

「…それも気持ち悪いけど、まぁいいよ。それより例のモノだけど…」

「あ、はい。持ってきました。勿論蓮二には内緒ですよね」

「ふふ、当然だよ」

「俺はやっぱり今回も貞×蓮でいきたいんですが…」

「あのさぁ貞治君…実を言うと俺、赤×蓮派なんだよね…」

「赤…赤也君ですか?あの子まだ小学生でしょう」

「甘いな。赤也は今でさえあのSな性格の持ち主だよ?あと5年もしてみなよ、立派に蓮二の相手をしてのける度量はある男だよ」

「年下攻めですか」

「来年辺りから赤也に緊縛を教え込もうと思ってるんだ」

「れ、蓮二を縛るなんて…!そんなヒドイこと俺にはとても出来ません」

「何だよ、根性ないなぁ」

「蓮二のあの清らかな雰囲気を表現したいんです!あの艶やかなカラスの濡れ場色の髪、伏せられた長い真っ直ぐな漆黒の睫毛…
白い陶器のような肌に今まさに綻ぼうとせんばかりの薔薇の蕾のような唇…そんな蓮二にヒドイことなんて!」

「貞治君の書く蓮二の表現はル○ー文庫みたいできもいよ(蓮二が美しいのは認めるけど)」

「じゃあ精市さんはどういうのがいいんですか」

「そうだなぁ…蓮二みたいに高潔なタイプは、貶めて平伏させて跪かせて泣かせて汚して哀願させてこそ輝くと思うんだよなぁ…
それでも高潔さを失わないというところに価値があるっていうか。いっそスカトロでもいい」

「スッ…!…精市さん…それはちょっと…」

「うん、まぁスカトロは言い過ぎたけど、そんくらいの気持ち」

「精市さんはドSだからなぁ」

「むしろ蓮二はM気質なはずなのに何で貞治君みたいなノーマルな男と付き合ってるんだか、意味が分からないよ。別れたら?」

「蓮二は体の繋がりよりも心の繋がりを大切にする人間だと俺は思ってますが」

「分かってないな。蓮二みたいなタイプが一度知ると堕ちていくんだよ。そしてそこがいいんじゃないか」

「蓮二とSM…か…」

「別に貞治君にそこまで望んでないよ。Mとしての蓮二を開花させるのは赤也に任せるつもりだから」

「ちょ…!俺は赤也君に蓮二を譲るつもりありませんよ!?大体兄弟じゃないですか」

「君はつくづく無粋だね…そこがいいんじゃないか」

「精市さんの趣味はアブノーマル過ぎます!今回も貞×蓮で挿絵描いてもらいますからね」

「ちぇっ…もう眼鏡描くのも蓮二とかベッドシーンの背景とかに薔薇しょわせるのも飽きたよ…」

「蓮二は花を背負うとその美しさが際立つじゃないですか」

「たまには格子とか縄とかコンクリ背景とか大人の玩具とか三角木馬とか描きたい…」

「精市さん!今回の本は蓮二の誕生祝い企画合同誌なんですから、蓮二にヒドイ目に遭わせたいなら個人でやってください!」

「あっ、ねぇねぇ貞治君もちょっとこれ見てよ。この間描いてみたんだけど…」

「………な、ななななな何ですかこれ!」

「良くない?亀甲縛り吊るし上げバイブ挿入乳首ピアス蓮二猿轡つき」

「やりすぎですっ!自分の息子に何やらせてんだアンタ!」

「…俺にそんな口きくの?いくら蓮二の彼氏でも許さないよ?」

「…す…すみません…」

「駄目かなぁ、俺これ描いてる時かなりみなぎってたんだけど」

「そんなのみなぎらな…!………く、は、ないですけど…」

「でしょー?あの沈着冷静かつ美麗な顔が涙と涎と精液でグチャグチャになって篭った声で喘ぐ様想像するだけで萌えない?」

「……………(確かに………いや、しかし…!)」

「別に貞治君が現実の蓮二を大切にする分には一向に文句ないけどね(ていうか実際こんなこと貞治君がやったら殺す)」

「いくら妄想でも…蓮二を泣かせるなんて俺にはとても出来ません…!」

「ふん。つまらない男だ。まぁいいけどさ。じゃあ貞治君はどんなプロット練ってきたんだい?」

「あ、はい…あくまで俺と蓮二の誕生日企画なんで、甘エロ系にしようかと思ったんですがただそれだけじゃつまらないから
小学生時代に遡って幼馴染設定でショタでいくのはどうかと思うんですが…」

「何だよ貞治君だって何だかんだ言っていたいけな小学生の蓮二にヒドイことしたいんじゃないか」

「違います!一緒にしないでください!この話では二人の幼い愛を育む物語を全100Pで…」

「つまーんなーい!幼い愛の物語を100Pも読まされる読者の気持ちにもなれよ!」

「何でですか!純愛いいじゃないですか!」

「これだから○ビー文庫愛読者は…いいかい、読者が求めるのは過激なエロだ!純愛を求めるお姉さんは少女漫画でも読んでるさ!
同人界に降臨なさった腐ったヴィーナス達は爛れためくるめく官能の世界を求めているんだよ!それとちょっと愛!」

「そ、そんな…海辺で愛を語らい山歩き中にひとつの林檎を二人で食べ丘の上の大木に二人の名を永遠に刻むJU○Eの世界はもう費えたというのか…!」

「微温い!微温いわ!!!時代は進化している!同人界もまた然り!!!」

「じゃあこのプロットは駄目だというのか…理屈じゃない…!」

「んー、100P中95Pエロならいいよ」

「それならいっそ100Pずっとエロにしますよ…」

「やっぱあらゆる手段で蓮二を陵辱する話にしない?10Pくらいづつ一話完結で、相手全部変えて」

「蓮二をそんな色んな男に輪姦させるわけにはいかない!」

「じゃあ赤也が蓮二をM開発100P」

「…俺の誕生日でもあるのに何で俺不在なんですか…」

「あ、そっか…でも貞治君ってどっちかっていうとMじゃない?何で蓮二と付き合ってんの?別れたら?」

「さっきからさりげなく俺達を別れさせようとするのはやめてもらえませんか…」

「どう考えても蓮二と貞治君の体の相性がいいようには思えないんだけどなぁ」

「何言ってるんですか、俺と蓮二の相性は抜群ですよ!」

「え〜?ほんとに〜?…じゃあ具体的に聞かせてよ。俺がその話で萌えられたらさっきのショタ純愛話100Pで書かせてあげるよ」

「言いましたね?ふふ…吠え面かかないでくださいよ」

「誰に言ってるんだい?俺を萌えさせるなんて簡単じゃないことを知るんだね」

「蓮二はですね…SEXがしたくなると恥じらいながら俺の服の裾を引き甘えた声で『貞治…』って呼ぶんですよ。
そして俺が少し意地悪して『何だい?』と聞けば頬を染めてあの愛らしい唇を尖らせて拗ねたような表情を見せつつ
素直には言えずに何度も俺の裾を引き、恥じらいながらキスしてくるんです…ああその表情の可愛らしさと言ったら!
俺がそんな蓮二を『可愛いね』と言えば照れたように目線を逸らして『貞治は馬鹿だな…』とあの独特の低く甘い声で…」

「あーもういい。何かむかついてきたよ。もういい」

「まだこれからが本番なのに」

「いつも書いてる貞治君の小説と大して変わらないじゃないか。小説をなぞられてもつまらないよ」

「これでは萌えられない、と…?」

「とてもじゃないが、無理だね。可愛いとは思うけど萌えには程遠い」

「それなら精市さんは何か萌エピソードないんですか?俺を萌えさせられたら精市さんの読みたいような小説を書きますよ」

「ふ…言ったね。この勝負、俺が断然有利だ」

「それはどうでしょうね。恋人の俺以上に蓮二の萌えシチュを見れる人間は普通に考えていないでしょう」

「ふふ…言うね…ではしかと聞け!蓮二は弦一郎の躾のおかげで、一度口に入れたものをもう一度出すということを絶対しないんだけど
昨日の夕飯の極太ソーセージを食べた際に熱かったらしく、それでも口から出せずに半分ほど咥えたまま
涙目になりつつ上目遣いで俺達に恨みがましい視線を投げかけながら『あちゅい…』って呟いたんだぞ!!!」

「!!!!!!!!!!もッ…萌え―――――!!!!!!!!!!」

「………ふっ…この俺に勝とうだなんて、百年早いよ…」

「ハッ、つい…!…くッ…負けました…蓮二誕生祝い合同誌は亀甲縛り吊るし上げバイブ挿入乳首ピアス蓮二猿轡つきで構いません…」

「赤×蓮で頼むよ」

「…くっ…はい…」

「100P中半分はエロに費やして、表紙は箔押しでね」

「………はい…」

「苦労かける」



精市&貞治の蓮二誕生祝い合同誌「淫汁塗れのBirthday」は夏コミで新刊として発売予定だYO☆



 

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