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中身の不思議さに、見かけも伴ってしまった知念。
大会でも目立っていて、ある意味目的は果たせたかもしれない。
ピンセットでボールを摘もうとしたり、そんな男だが俺と奴は恋人同士。
不思議だから魅力的に思えるのかと初めは思った。
実は俺も変わったものや事柄が好きだったりして。
けれど知っていくとどんどんそれを上回る感情がうまれてくる。
日々日々、それこそ不思議なものだ。


知念は時々短気でことを早めようとしてしまう。
頭を使うのは嫌いじゃなさそうなのに。
待っていられなくなる、とき。
それはこんな、身体を重ねるときにも反映されたりする。
俺が肩を掴んだりしてガツガツとむさぼることだってそりゃああるが、今日はその時々、たまに来る現象の日のようだった。

知念の家のベッドに押し倒されて、馬乗りになるように、俺を挟むようにして僅かに脚を開き膝を立ててこちらを見下ろす表情は複雑だ。本当は恥ずかしくて、でも自分を止められない。


「誕生日、おめでとう…って、ちゃんと言えてなかったさぁ」
「おう、ありがと。知念から言われんのがやっぱ一番うれしい」


長い指の関節を指先で絡めながらそう礼を言った。


「…っ凛が、その気じゃないなら…今日はしない」


焦らされるのが好きじゃない知念の口がもごもごと言葉を吐いている。
こんな状況になって今日はやめておこうなんて言うほど、俺も自分を止められない。


「知念の方が負担掛かるけど、いいのかよ」
「ん…準備してきた、し」
「おめでとうのしるし?わんがプレゼントってやつ?」
「そう…けど、ちが、…」


服に手を滑り込ませて肋骨の上の皮膚をなぞると、浅い息と共にあいまいな答えが返ってくる。
上向いて顔を見つめればおずおずと薄い唇がおりてきた。


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凛おめでとうー!今年は凛知です。

我慢ならない
2015/03/03
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