▼ 選んだ道
[14/14]

試験勉強を始めようと、教材の購入を決めた。

一度は落ちたものの、チャンスがあるなら、また受けてみようと、今になって思えるようになって来た。

落ちた直後はショックだった。甘く考えて居たかもしれない。周囲を見て、行けるんじゃないかとも思ったが、結果惨敗だった。同じ部屋で受けたメンバーも全滅だった訳だけれども。

専門時代に、こっちの道を選択していれば良かったかもしれない。

結果論でしかないが、祖母にも言われた。お世話になった各部署の上司にも言われた。上司たちは、僕の適性を見抜いていてくれた。

専門時代、この道を選択して居れば、2年間の地獄を見る事もなく、僕は順当な人生を送れたかもしれない。

しかし、あの2年間があったからこそ、変われた部分や気付けた事等があって、与えられた影響は大きく、否定出来ない。

選ぶことは難しい。自分の人生を決めることに関しては、慎重になってしまう。僕は、あの当時、将来を明確にも出来ず、彷徨った。流れ、流され、ようやくやりたい仕事というものに巡り会えた。しかし、この巡り会いにも疑問を持つことがある。本当にこれでいいのか、後悔はしないのか。

人脈は無いよりある方だと思う。しかし、その人脈が枷となることもある。正直、人付き合いは苦手な方だ。本格的にこの仕事に就けば、しがらみに捕らわれてしまうことがあるかもしれない。

悩んで居ても仕方ないことだし、全く知らない世界でもないから、飛び込んでみようと、決心もついた。

どう転ぶかなんて、分からない。10月からの仕事だって同じ事が言える。ならば、大きく構えていた方が楽だ。

親には、これで人生が決まる、とプレッシャーを掛けられた。確かに、今後の大まかな道筋は決まってしまうかもしれない。あとは、どう生きるか、だ。

2010.09.21 23:30



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -