▼ 孤独に染まる
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悲しみを吐露するには、まだ自分は不器用過ぎる。

複雑な人間関係に飲まれてしまった。簡単なことなのに、自分の割り切れない気持ちが、より複雑にしてしまった。

もうこじれてしまっては、元には戻らない。一方的に切られた電話に、自然とその覚悟はついた。

自分の事しか考えていない、という台詞は相手から何度も言われた。その度に、じゃあ、僕の気持ちは誰が考えてくれるのかと思った。そういう相手も、自分の事ばかり押し付けて来た。

今回ばかりは、どうしようもなかった。絶対的に考え方が違ったからである。所有する自己啓発本に、互いに尊重出来る相手で無ければ男女の友情は成し得ないとあったが、まさにそうだった。

言い過ぎた言葉に謝罪しても、焼け石に水というやつで、相手から許される事はないと感じた。

言い訳をして逃げていると言われた。

仮に、それにまっすぐ向き合ったとしても、相手の都合に巻き込まれ、自分が傷付いてしまうのが目に見えていた。

自分の身を守れるのは自分自身しかいない。

5年の付き合いも、こんな事でダメになるのかと思ったが、逆の言い方をすればその程度だったという事になる。

そう諦めてしまえばいいのだろうか。

色々と思い巡らせて、相変わらず気分は沈んだままだ。

最近は色々と人離れが激しくて、ただでさえ気分が浮かない。

さすがにリアルで5年も付き合いがある人間だと、一層重みがあり、海底に押し込められたかの如く、圧力で今にも潰されそうである。



正直な所、短期間で、人から色々と否定的な言葉を言われ過ぎて、自分が何なのか分からなくなって来た。

自分の考え、気持ち、価値観、存在まで、全てが在ってはいけないように思えてならない。

それだけ僕という人間は、ちっぽけで浅はかで愚鈍だという事が、身に染みて分かったが、打ちのめされたその後に、立ち上がる力すらない。

自己嫌悪と自己否定で満たされてしまった。

2010.09.10 00:22



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