Happy Birthday.



「 ラビを不幸にしたら絶対に許しませんから。 」



きっ、と此方を射殺さんばかりに睨み付け、掴んでいた腕を名残惜しそうに話す白銀の彼。



目の前の藍は何も言わず、その瞳を冷ややかに見つめ返すと腕を離された事によって支えを無くし、此方に倒れこんできた鮮やかな赤を抱き留める。力が込められていないその体はぴくりとも動くこと無く項垂れては、何時もは見える透き通った碧の瞳は静かに閉ざされていた。



_…あァ、そうか。



生気を失った白い肌を見、つい先程まで彼はあの忌々しきAKUMAと交戦していたのだと思い知らされた。
その証拠に足元にはAKUMAの残骸が散らばっていて無惨にも転がっていた。きっとラビのイノセンス、鉄槌の 却火灰燼 火判 で焼き殺したのであろう。未だ熱気が残りつつあり、焼での焦げが辺りを真っ黒に染めていた。

戦闘の跡は確りと残っているのにどうしてだろうか。


不思議な事に、彼の体からは血一滴足りとも流れておらず流血が見られない。同じくイノセンスにも真新しい傷一つ入っていない。



一体何があった_?



さすがにレベル1だけだとしても傷を全く負わず生還するのは難しい。其れに此の数だ。辺りに転がる残骸は灰へと成りかけているが、目視で確認出来るだけで少なくとも4〜6体はいたと伺える。

ラビとAKUMAが交戦中、側にいたであろう、先程の白銀を横目で見据えれば眉を寄せた。
…正直癪に障る。
渋々白銀へと聞いてみた。がやはりそうであろう先程の自分と同様、冷ややかな目で此方を見据えてはその問いにふん、と鼻を鳴らす白銀。


「 神田に教える義理は在りませんね。 」


そう冷たく言い放つ。返答は大方予想はついていたのだがやはり障るものは障るもので…。
其れにぴしり、青筋を浮かべて。機嫌を損ねたのだろう恐ろしい形相で睨み付ける藍の青年。それを横目に涼しげな表情の白銀。ちらり、と此方に視線を寄越すとその儘臆すること無く藍に抱き抱えられている赤髪へと近付く。

そんな彼の瞳は何時も彼とは少し違う気がした。妙に据わっていて、それでいてとても酷く冷たい__…。
何か嫌な予感がした。藍は懐から愛用の獲物である 六幻 を抜刀し、素早い動作で切っ先を喉元へ突き付け、赤髪を庇うように後ろへと遣り、強く抱き締める。その瞳には憤りと殺気が宿っており、此れ以上近寄るなと言わんばかり。鋭い瞳は真っ直ぐ白銀の彼を捉え、睨み付けた。
一方、突き付けられ彼は尚、冷ややかな目を向けては喉元の獲物にもろともせず此方も自身のイノセンスである 十字架 を発動し、切っ先を左手で喉元からずらす。がちかちと金属の擦れあう音と共に沈黙が訪れる。


「 何をするんですか、神田。 」


「 そりゃ此方の台詞だ。…手前ェこそ何をする気だ 」


大方赤髪の事だろう。両者一歩も引かずに御互いイノセンスをぶつけ合う。アレンは飄々と、神田は何が可笑しいと眉を潜めた。
何時も涼しげな表情の彼だが今回の彼は何処か敵を震え上がらせる冷たさと何時も無い冷酷な何かを感じる。
本能的に彼は危険だと頭の中で警報が鳴り響く。


チッ、とお馴染みの舌打ちをかましてはぎちぎちとイノセンスで押し返す。負けじと彼方もイノセンスで押し返してくる。
暫くその状態が続いたがイノセンスを引いたのはアレンの方だったその姿は何処か苦しそうに眉を寄せていた。イノセンスが発動していた左手はカタカタと小刻みに震えていて。
すると藍は何を思ったのか再び舌打ちをしては、イノセンスを鞘へと納める。白銀は驚いたように目を見開く。白銀と藍は御互いに一睨みして目を逸らした。白銀はその儘イノセンスが発動していなかった右手で生気の失せた彼の赤髪をそっと鋤く。先程の彼とは思えぬ程に柔なか表情。


「 ラビ、…大丈夫。君は強いですから。 」


そう呟くと髪をかき上げおでこに優しく口付けを落とす。白銀の彼は暫くの間彼の顔を眺めていたがくるり、といきなり踵を返した。

そんな白銀を静かに見詰めていた藍はおい、と引き留める。


「 何処へ行くつもりだ 」


白銀は歩みを止めると振り返ること無く言葉を返した。


「 何処へって、…帰るんですよ。 」


「 だから、何処へって_! 」


「 さあ、何処へでしょうね。 」


おどけたように肩を竦める白銀は薄ら笑いを浮かべ答えを濁した。其れに易々と引き下がれる達では無いと神田は声を荒げた。


「 ふざけンな!何処へ帰ンだって聞いてンだよ! 」


「 先程も言ったでしょう?貴方に答える義理は無いと。 」


やっと振り返った白銀の瞳は変わらず冷ややかで顔は酷く無表情だった。

思わず悪寒が走る。まるで何か触れてはならない"何か"があるようで__。


いきなりふっ、と表情を崩した彼。何時もの好青年を思わせる胡散臭い笑顔だ。


「 神田、もう一度言います。
ラビを不幸にしたら…、絶対に許しませんから。 」


はっきりと述べた彼は又言葉を紡ぐ。


「 其れと、ラビ。早く帰ってきて下さいね。皆、待っていますから。 」


優しげな笑みを浮かべる。まるで愛おしいものを見るかのような愛おしそうな目。


まるで兄弟のような__。


其処で又悪寒が走る。
心拍数が上がって心臓が煩く跳ねる。
落ち着かせるように深呼吸を繰り返せば漸く静まった心臓。

気付いたら白銀の彼は跡形も無く消え去っていた。


何か嫌な予感がする__。


自身の腕で静かに眠る赤髪を見ては藍は一人そう思った_。




        「 Happy Birthday ラビ。
          そして、お帰り。 」


      

       もう直ぐで会えるもう一人の君。
        今日は君の誕生パーティーさ。



( 早く僕達の元へ、帰ってお出で。
  愛しい愛しい僕の兄弟…。 )



end...


_____

意味が分からない。

分析しようにも出来ない。
さすが駄文!!

えっと、御説明致します?

白銀の彼 アレン
藍色の彼 神田
赤髪 ラビ


ラビはノアです。未覚醒の。眼帯の下の右目が其れ、ブックマンが眼帯を着けることで封印していました。

アレンはもう既に覚醒しています。何故?は駄目です!禁句!

其処に神田登場。傷一つ無いのは此処で!封印していた右目が覚醒して仕舞ったからです!運悪く眼帯が外れました。
其れでAKUMA達は抑えがまだ効かないラビに忽ち破壊されて仕舞います。アレンはノアの元へ連れ去ってしまいたいのを山々、眼帯を戻して上げます。

其れでアレンは一度伯爵に報告へ。
帰る場所で言い争いましたがその内ラビをかっさらってノアの元へ移るのでしょうね!

兄弟とか、嫌な予感がするとか、皆、待っていますから。とかノアの事です。


と、言う事でラビハピバ!
ノアラビハピバ!

此れで又一歩、ノアの一族に近付いたね!



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