神様…どうか、お願いします


この二人を、




俺の目の前から消して下さい…っ






「だぁかぁらぁ、俺が先に辺見先輩を誘ったんだから咲山先輩はすっ込んでて下さいよ!」

「はぁ?お前、年功序列って言葉知らないの?」

「今時そんなの古いです」

「流行の問題じゃねぇんだよ」

「そうですね、先着の問題です」

「話すり替えんな」

「どっちがですか」



そろそろ、怒鳴っても良いかなぁ

俺が咲山と成神の言い争いにも何の反応も示さないでいると、二人が同時に俺を見た。


『どっち!?』

「あー、何の話だっけ?」

「先輩、どっちとご飯食べます?」


そうだった。
授業が終わって、昼飯食おうと食堂に行こうかなんて考えてたらこいつらが来たんだった。

俺の席の前でぎゃーぎゃー騒いでいる。


「…3人で食えば良いだろ?」

「それじゃ駄目なんです」

「白か黒かはっきりさせろよ」

あー、昔そんな歌あったな…つか、何で俺がお前ら二人から一人を選ばなきゃならんのかと


「お前ら、俺の意思は無視なの?」

「だから、どっちが良いか聞いてるじゃないですか」

「どっちが良いんだ?」

「そうじゃなくて、俺が男には興味ないって話だよ」

『そんなの関係ない』

「最重要事項だろ!!」


そんなギャグあったなぁ、とか思う間もなくツッコミを入れて頭を抱える。


「大丈夫です。幸せにしてみせます」

「新しい世界に足を踏み入れるのも悪くないと思う」


「…分かった」

俺がゆっくり立ち上がると二人が期待に満ちた表情になる。


「どっちです?」

「俺だよな?」




俺は満面の笑みで一緒に昼食を共にする相手を選んだ。




「源田と食べる」


『!?』

「源田ぁっ!!昼飯行くぞ!!」

「えっ」

ノートとかの片付けをしていた源田の席に行って、源田を無理やり立たせる。


「行くのは別に構わないが…お前の背後から凄い突き刺さる視線g」

「気のせいだ」

源田の肩に手を置いて言い聞かせた。
源田は俺の背後に視線を向けたまま唸る。



「…この凄まじい殺意の篭った視線を感じるのh」



   「 気 の せ い だ 」


肩に置いた手にグッと力を入れる。「さぁ、行こう」と、源田の腕を引いて教室を出てからあいつらから離れる。


あいつら何故か第三者が入ると深追いしてこないからな。源田にはいつも済まないと思うが…





「そろそろ…どっちか選んでやれば良いんじゃないか?」

「………選べるわけないだろ、馬鹿」

「…お前、大変だな」






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