照「きーみーがーつーくぅったーにだーんがさーねおべーんとー」
涼「……」
南「……」
照「…酷いと思わないかい?」
南「何が?照美の歌唱力が?」
照「殴って良いかな?」
南「いや、そんな棒読みで歌っといて何言ってんだ」
照「本気で歌う気0だもの」
南「じゃあ、歌うなよ」
照「そこは僕の美声でカバー出来ると思うんだ」
南「いい声ってだけでCDが売れるのは声優だけだ」
涼「…ところで、何が酷いんだ?」
照「あ、そうそう。本来その話がしたかったんだよ…軌道修正ありがとう、涼野くん」
涼「いや…」
照「酷いのはこの歌の歌詞だよ」
南「あー、“から揚げだけのおかずが眩しすぎるぜ”?…確かにから揚げは眩しくないよな」
照「違う、そこじゃない。問題はそこじゃない」
南「じゃあどこだよ」
照「から揚げだけのおかずって何?これ明らかに嫌がらせだよね?」
涼「から揚げ美味いぞ?」
照「味の問題じゃないよ。“僕”は“君”が作ったお弁当を楽しみにしてたのにおかずは茶色一色!!しかも片寄ったご飯!!そりゃあ迫力満点だろうさ!!」
南「お前、手作り弁当にどんだけ夢見てんだよ」
照「…世宇子ってさぁ、弁当持参禁止だったんだよね」
南「は?」
照「まぁ、お陰である意味で毎回“君(業者)”が作ったお弁当だった訳だけど」
涼「何と言うか…切ないな」
照「僕ならもっと綺麗に作る」
涼「え、自作?」
南「お前アレだろ…彩りプラスとかでプチトマト入れるタイプだろ」
照「僕、トマト嫌い」
南「お前の好き嫌いとか聞いてねぇよ」
照「でも彩りとしては入れるかな。捨てるけど」
涼「もったいない…」
南「全国のトマト農家の人に謝れ」
照「じゃあ、トマトは涼野くんにあげるよ」
涼「え?あ…ありがとう」
南「想像上の弁当でおかずのやり取りすんな」
照「という訳で、南雲くん僕にお弁当作って」
南「話の流れが全く見えない」
照「僕は手作りのお弁当が食べたいんだ」
南「自分で作れよ」
照「どうせなら“僕”と同じように“君”が作ったお弁当が食べたいじゃない」
涼「照美、それなら私が…」
照「涼野くんのは要らない」
涼「酷い」
南「うるさいから作ってやった」
照「わぁい♪二段重ねお弁と…って、何コレ!?」
南「から揚げだけのおかずを再現してやった」
照「そんな優しさ要らない。しかもわざとらしくご飯まで片寄ってる…」
南「忠実に再現する為に、から揚げには金粉をまぶして輝かせた」
照「無駄に豪華!!」
涼「てっ、照美…今度は私が」
照「涼野くんのは要らない」
涼「酷い」