おやすみ | ナノ



「あ、」 今日も、来た



一ヶ月くらい前から、よくファクトリーに来る女の子がいる。
名前はなまえ、っていうらしい。
最近ではほぼ毎日来ているけれど、いまだにボクのとこまで勝ち抜いてきた事はない。
初めて見たときは別にどうも思わなかった。それがああ、また来たのか、という感情から早くここまで来ないかな、という感情に変わるのはいつからだったか。
特にバトルが下手なわけじゃないのに、いつも後一歩の所で負けてしまう彼女。
あの子と早く戦ってみたい。
あの子をもっと、近くで見てみたい。
モニター越しじゃ、つまらない。



「あ、あのー」

「えっ」

「ファクトリーヘッドのネジキさんですよね?」

「は、はい、ボクがネジキです」

「私、なまえっていいます。バトルお願いします!」



・・・あれ?いつの間に?
さっきモニターを見たときはまだ確か3週目の途中だった気がしたのに。
ボクが色々考えているうちに彼女はとうとうここまで勝ち抜いてきてしまっていたのか。
不覚にも動揺してしまった事への恥ずかしさと、ずっと気になっていた彼女が目の前にいる嬉しさが交じり合って、心拍数が上昇しているのが自分でも分かる(それに顔がすごく熱い)
バトルに集中しなきゃと思うのに、真剣な眼差しの彼女に視線を奪われる。


ああ、そうか、
ボクはどうやらあの子のことが




気になるあの子(好きみたいだ)

091103


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