おやすみ | ナノ


「重い」


雑誌をめくりながら一言そう呟けば、後ろから非難の声があがった。


「ボク、そこまで重くないです」
「・・・重くなくても、のしかかられると読みづらいんだけど?」


返事はない。私はそのままページをめくる(あ、この服かわいー)
そうやって雑誌を読み続けてはいたものの、さっきから後ろのネジキくんが首に腕を回してきたり体重をかけてきたりと私の邪魔ばかりをしてくるのだ。
遠まわしに邪魔だと言ってもさっきのようにシカトされるし。なんなんだ一体・・・いじめ?


「ねえ、ネジキくん」
「なんですか」
「そろそろのいて欲しいなーなんて、」
「嫌です」
「(即答?!)」


もう、諦めたほうがいいんだろうか。ため息をついたら後ろからさらに体重をかけられた。


「・・・・・・なまえ」
「なに?」
「こっち向いて」


言われた通り、顔をそちらに向ける。いや、向けようとした。
急に視界いっぱいにネジキくんの顔が現れたので、びっくりして中途半端に止まってしまったのだ。
でもネジキくんは更に近づいてきて、私の唇に自分のそれを押し付けた。
ちゅ、と可愛らしいリップ音をたてて離れていくネジキくんを、私はただ呆然と見つめていた。


「な、(にを・・・)」
「いい加減、ボクのことも構ってくださいよ」
「え?」


ネジキくんは言うだけ言って、私の背中に顔を押し付けて隠れてしまった。
・・・これは、もしかして?(自然と顔がニヤけた)


「拗ねてる?」
「拗ねてない」
「・・・ほんとに?」
「しつこい」


腕に力を込められ首がしまった。照れ隠しにしてもこれは結構苦しい。
ちょっと意識が飛びそうになったものの、私は雑誌を閉じてそこら辺に放り投げた。こんなのより今は背中の可愛い子を構ってあげなきゃ、ね!




苦しくても愛ならば、
(ニケさんへ相互記念!)


ネジキくんかわいー
うるさい
ちょっストップ・・・!構ってあげるから許して!
・・・じゃあ、結婚してください
なんでそうなんの?!


091225


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