「名前ーーー!また昼寝してるのかにゃー?」
日常だった。
窓際の日当たりがよく、ぽかぽかとほどよい心地。
睡魔に抵抗しようとしない私は、いつも夢へとおちていた。
そこから現実へと呼び戻してくれるのが、土御門だった。
頭を上げると、土御門はかたがついてる、とバカにしたように笑い、それに気がついた上条と青髪が同じように笑う。
なによりも幸せな、私の日常。
変わることない日常。
そう思っていたのに、
それは突然だった。
土御門が、いなくなったのだ。
教えてくれたのは上条だった。
上条は細かい詳細は話さなかったが、土御門は行方不明だという事だけはハッキリと伝えてきた。
前々から何となく土御門が私の知らない世界で動いているのを感じていた。
長期間学校を休み、ある日ひょっこりと何事も無かったかのように現れる。
何で休んだかは話さないが、危険な事をしていたんだろうとしていたことが伺えた。
それでも、ちゃんと帰ってきてくれるならって……。
私はなにも聞かずに待つことにしていた。
だから、ね?
早く帰ってきてよ…。
今回はさすがにもの申すかもしれない。
だけど、ちゃんと帰ってきてよ。
待てども待てども、帰ってこない。
これはきっと悪い夢?
だったら早く目を覚まさせて。
いつものように、名前をよんで。
バカにしたように笑ってよ。
カーテンの隙間から木漏れ日がさす。
風で揺れる、光が揺れる。
そこで笑う君は、遠い記憶のなか
20130821
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