僕が彼女と出会ったのは、FBF決勝後、とある病院での事だった。
神のアクアによる副作用などの検査で通っていた時。
病院の廊下から外を見ている、その横顔がとても綺麗で思わず見とれてしまったんだ。
この感情は何だろうか、疑問はあったけど勢いで僕は話かけた。
「君は外に出ないのかい?」
外に向いていた視線が僕に向けられ、二重の瞳が少し揺れた。
「え、と…、私、あまり外には出られないんです」
俯いた彼女を見ると、肌が白く、日の下にあまりでていない事が伺える。
「なら僕が、外の話をしてあげる」
「本当ですか?!」
花が咲いたかのように笑顔を綻ばす彼女は、とても綺麗だった。
「あ、照美さん。今日もきてくれたんですね!」
あれから僕は彼女、祐梨の元へよく来ていた。
僕がするはなしは、本当に他愛もない話だけど祐梨は嬉しそいに聞いてくれる。
ああ、どうしてこんなにも綺麗で純粋な子が病気なんだろうか。
どうして、普通の幸せさえも味あわせてあげられないのだろうか。
「外の世界はやっぱり楽しそうだね。私も外へ行きたいなぁ…」
「なら僕と行こう。僕が案内してあげるよ」
ニコリと笑うと、祐梨はとびっきりの笑顔で笑った。
「約束だよっ!!」
指切りげんまんをしようと小指をだした祐梨に、僕の小指を絡まして、約束をした。
「楽しみだなぁ…。私幸せだよっ」
「祐梨が幸せなら、僕も嬉しいよ」
「本当?ふふ、こんな気持ちになったの初めてだよ。照美さんって神様みたいだね」
神様、という言葉に息がとまりそうな感覚に陥った。
「は、は…、大袈裟だよ…」
渇いた笑いしかでて来なかった。
もしも本当に神なら、君の病気を治してあげられるのに。
僕はなんて非力なんだろう。
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初アフロディ…
何か、アフロディじゃない気が…
何となく続きます
24.7.22
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