いつか来るとは思っていた。
ただ、それは遠い未来である、そうであってほしいと願っていた。
マークと居る時間は、楽しくて嬉しくて、愛おしくて……悲しかった。
今は当たり前の様に私の横に居てくれるマーク。
でも、マークはいつか私の手に届かない場所に行ってしまうだろうとわかってしまう。
マークは、世界にでていくのだ。
「祐梨…、どうかしたか」
そんな空気を感じとったのか、マークが私の顔を伺うように覗いてきた。
ふ、と視線を外しながら絡めていた指に力をいれた。
嫌だ、離したくない、一緒にいたい。
「マーク、」
「何だ?」
「ふふ、何でもないよ」
ごまかす様に笑うけど、マークはまだ神妙な顔つきのままだ。
「本当に、何もないんだな」
真剣な瞳、綺麗なエメラルド色の瞳が私を映す。
「うん、何も」
何も、無い。
「何も…………」
無い、わけない。
「………。マーク。」
ゴメンね、マーク。
「少し、甘えたいな、」
私はまだ弱いみたい。
「そんな事か、全然いいぞ」
マークが優しく目を細めて、私の額にキスを落とした。
泣きそうだよ、大好きって気持ちが溢れてくる。
「ありがとう、マーク。大好きだよ」
「俺も、祐梨を愛してる」
確かめるように、抱きしめる。
もしも、その時が来たら笑っていられるように強くなるよ。
泣いたら、貴方は優しいから心配しちゃうから。
だけどそれまでは、どうか甘えさせてください。
一緒に、いさせてください。
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またしても、よくわからない話になってしまった…
24.7.15
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