恋をテイクアウト 

練習帰り、本当に気まぐれというか、なんとなくその店の扉を開けた。

まあ、帰り道にこんなにも美味しそうな匂いがしたら誰でもその扉を開けてしまうのではないか。

そんな事を思いながら店内に入った。

ここは最近できた結構メジャーなハンバーガーショップのチェーン店だと、ディランが言っていたのを思い出した。

「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

自分の順番が来ていたようで、店員さんに声をかけられた。

そういえば、何を注文するのかを決めていなかった。

少し慌てながらもメニューを見てハンバーガーとドリンクをそれぞれ選んだ。

「かしこまりました…、あれ…」

急に店員さんが何も言わなくなってしまったので、不思議に思いながら顔をあげると、しっかりと目があった。

さっきは慌てていたからしっかりと見ていなかったけど、その店員さんは少し幼さがあるけれどとても綺麗な人だった。

雰囲気からして歳上…、いや、働いている時点で歳上か。

「え、っと、あの…。もしかしてマーク・クルーガーさん…?」

疑問気に聞いてくる彼女に、はいと頷くと、目を輝かして笑顔になった。

「やっぱり!FFIみました!アメリカ代表のキャプテンですっごいカッコイイなぁって思ってたんですよ」

その言葉から始まり、後にもあまりにもいろいろと褒めてくれるものだから頬が熱くなってくるのを感じた。

「ちょ、ちょっと待って下さい」

片手で顔を少し隠しながらもう片方の手を彼女に向け俯いた。

「その、あんまり言われると…」

ここまでストレートに褒められるとさすがに照れる。

それも、とても嬉しそうに俺の話をされると。

その様子に彼女も気づいたのか、俺に負けないぐらい顔を赤くしていた。

「あ、え、あ、すいませんでした!!つい憧れてたもので…。」

紛らわすように彼女はレジを打つ。

「えっと、お持ち帰りですか?」

「…はい」

その言葉を聞いて彼女は厨房の方へ行き、ハンバーガーなどを紙袋に納めていた。

「お待たせしました。」

お互いに何となく気まずくなり、視線を合わせていなかった。

でも、紙袋を受け取ったときに彼女は遠慮がちに口を開けた。

「あ、あの。だいたいいつもバイト入れてるんで…その、よかったらまた…」

「…、また、来ます」

それからというもの、店を飛びだし少し走ってから、壁にもたれ掛かると力無く座り混んだ。

熱を含んだ頬が、未だに俺の気持ちを逆立てる。

お腹が空いていたのは何処へいったのやら。

今は胸の奥がドキドキと表したらいいだろうか、とにかく落ち着かない。

目を閉じると先程の彼女の嬉しそうな笑顔を思い出し、また彼女に会いたい、その気持ちが溢れてきた。

「何なんだ、これ…」

くしゃりと髪を握り顔を俯ける。

そう、答えはもうでていた。







俺は彼女に恋したらしい




************
初マーク夢!!

マーク好き過ぎる故、いろいろと暴走した結果この雑文…

しかも名前変換…ェ


24.3.21

   end 
(1:1:23)
bkm
 
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