*一乃のキャラが崩壊してます。なので閲覧注意!!
「俺達、本当にこのままでよかったのかな」
俺が呟くと、一乃も顔を俯かした。
今、俺は一乃の部屋に来ていた。
サッカー部を辞めてからと言うもの、二人で集まるといつもこんな重たい雰囲気になる。
「でも、今更…」
重たい口を開いた一乃だったけど、その先の言葉は言わなかった。
そうだ、今更戻れるわけもない。
だって、俺達は…。
はぁ、とため息をついて、一乃が先刻だしてくれたジュースを手にとった時、扉を開閉する音が下から聞こえてきた。
一乃の親でも帰ってきたのかな。
その瞬間、一乃は一瞬驚いたような表情をした。
その表情の変わり具合に少しの疑問を持ちながらもジュースに口をつけたとき、部屋の扉が開いた。
「七助ー!!!」
突然女の子が入ってきたかと思うと、俺の向かいに座っていた一乃に抱き着いた。
俺は飲んでいたジュースを思わず吹き出しそうになった。
いや、もちろん女の子が一乃に抱き着いた事にも驚いていた。
でも、それより何より驚いたのは…
「祐梨!おかえり」
先程の暗い表情なんかぶっとんだ、目の前の一乃に驚いていた。
しかも、お前誰だよって思わずつっこんでしまいそうな程優しい表情をしている一乃を目の前にして、俺は呆然とするしかない。
え、え…??
「え、一乃、え…??」
未だに状況把握が出来ない俺は、困ったようにうろたえた。
え、彼女…か?
でも、おかえりって、あれ…?
あれこれ考えていると、女の子が俺の方を向いてペこりとお辞儀をした。
「初めまして!一乃祐梨です!!今年から雷門中に通い初めました!!」
屈託のない、にっこりと笑顔を向ける彼女。
「い、一乃…?」
一乃って、こそは、まさか…。
思わずひ汗が流れた。
「俺の妹だよ。」
一乃が答えた。兄の方。
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