どんな時も一緒にいよう 

「浜野?」

「んー」

「はまのー」

「んー」

「海士ー?」

「んー」

うーん、困った、非常に困った。

さっきから何を呼びかけても返事が変わらない。

しかも、さっきから海士がずっと後ろから抱きしめてるわけで、私は身動きがとれないわけであって。

別に嫌じゃないし、うん、むしろ嬉しいけどさ、なんか海士が変なんだよね。

「海士ー。なんでさっきから動かないの?」

「祐梨補充ー」

最近部活忙しくて会えなかったからと、私の肩に顔を埋めながら言う。

たしかに、最近サッカー部は何か大きな大会にでるらしいから練習も大変らしくて、なかなか会っていなかった。

だから今日海士からメールで、今日遊びに来てよ、と来た時は嬉しかったな。

「祐梨といると落ちつく」

「そう?よかった」

ぎゅーっと首に回っている腕が少し強くなった。

こうやって、海士が抱きしめてくることは少なくはないから、珍しい事ではないけど、やっぱりなんか違う気がする。

いつもはもっとニコニコしてて、もっといろいろ話しかけてくれるし…。「海士ー」

海士の名前を呼んで、首に回してあった腕を緩めてもらって海士と向き合った。

「祐梨?」

「海士何かあったでしょ?今日なんか変だよ?」

そう聞くと、海士はやっぱり思い当たる節があるのか眉を困ったように少し下げた。

「うーん。よくわかんねーの。何が一番正しいのか、とか、何が間違ってるとかさ。俺は今何をするのが正しいのかなってさ」

頭を抱えていろいろ考えてる感じで、海士がここまで深刻に考えてるなんて、よっぽどなんだな。

「詳しい事はよくわからないけど、海士は、海士がしたい事をしたらいいと思う。」

ぽつりと呟きながら海士の手を握った。

「あんまりあれこれ考えないでさ、海士がこうしたい!って思った事を迷わずに貫いたらいいんじゃないかな?自分の気持ちに嘘をつかないでさ」

「祐梨…」

「もしもやった事がダメだった時はまた一緒にいてあげる。それでまた背中押してあげる。」
「…!!そうだな…、俺がやりたい事か…。うん、そうする!」

いつものようにニッコリと笑う海士を見てこちらまで笑顔になる。


「やっぱり、海士には笑顔が一番似合うよ。私が大好きな笑顔」

余りにもストリートに言いすぎた事に後から気づいて頬が熱くなっていくのがわかった。

「あああ、う、い、いや、うんなんて言うかそのあの…」

わたわたしていると、海士がバッと抱き着いてきた。

勢いが強かったから私は思わず床に倒れ込んでしまった。

海士が支えてくれたから痛くはなかったけど。

「やっぱり祐梨大好きだ!!」

「!!///私も海士が好きだよ」

これから先、どんな時でも海士を支えて行けるような人になりたい、と改めて思った。

「ん…?」

よくよく考えてみたら、いまの体制はいろいろと誤解をうんでしまうんじゃ…??

そう考えていると部屋の扉が開いた。

「は、浜野君!!」

「お前、何やってんだよ…」

驚いた表情でこちらをみているのは、速水と倉間だった。

「あ、いや、二人ともなんでここに?」

「あ、そーいえば二人とも今日家来るって言ってたの忘れてた」

その後二人に誤解をとくのにはとても苦労しました。

でも、海士が元気になってくれて本当によかった。







次の試合で海士が大活躍だったのは言うまでもない





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浜野の笑顔が可愛いすぎる(*^ω^*)


24.2.20


   end 
(1:1:23)
bkm
 
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