「フィ、フィディオー…。ねえ、何処にいるのー…??」
フィディオに連れられてきた日本の雷門町という所。
マモルという面白い奴がいるんだ、と言われて来てみたけど、見事にはぐれてしまった。
周りを見渡しても、知らない人ばっかりだし、場所も方向も全くわからないし…。
あいにく、泊まっている場所にサイフも携帯も置いてきてしまったし。
もうここで野垂れ死んでしまうんじゃないかとか、もう思考は悪い方向にばっかり行ってしまう。
日本語が話せないわけじゃないから、雷門中というところの場所を聞けばフィディオがいるかもしれないけど…。
私は知らない人に話しかける勇気何てない、本当に極度の人見知りだ。
本当に頼りになるのはフィディオだけだ。
考えてても仕方ない、と周りを見渡しながら走っていると、遠くの周り角で、茶色い髪の人が見え。
「フィディオ??」
忙しいで走っていき、泣きつくようにすがりついた。
「フィディオ!!よかった、もう迷子で死ぬかと思ったよ」
「っ、え…??」
頭上から困惑家な声が聞こえてきて、恐る恐る上をみると、雰囲気は似ていたけど、別人だった。
「あ、ぁぁぁ!!!!ゴメンなさい!!ゴメンなさい!!」
急いで離れて、何度も頭を下げた。
「べ、別に気にしてないからさ。それより、君、迷子…何だよね?俺でよければ案内しようか?」
その人をみると、優しく笑っていて、どこかフィディオを思いださせた。
「え、と…。雷門中って所に行きたいんだ…。フィディオがいるかもしれないから…」
「雷門中?!俺雷門中の生徒だよ!フィディオってもしかしてイタリア代表の?」
「う、うん!知ってるの?」
「ああ!!今日円堂がイタリア代表の人が来るからって言ってたからさ。俺もこれでもサッカー部なんだせ」
「そうなの!?」
よかった、私は運よくとっても優しい人に出会えた。
しかも雷門中のサッカー部の人に。
「俺は半田真一!よろしくな!んじゃ、行こうぜ!」
「うん!」
ニカッと笑った半田くんの手を握って、雷門中に向かった。
不思議と、半田くんに対しては自然体で話せた。
初めて会ったはずなのに、なんでかわからない。
フィディオに似ていたからなのか、もしかしたら、また別の理由なのか。
はじまりは人違いからこの気持ちの正体に気がつくまで
あともうすこし
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