「真一」
「なんだよ…」
「星が綺麗だね」
「そうだな…」
横にいる祐梨に目を向けると、祐梨に似合った赤色のマフラーに顔を埋めながら空を見上げていた。
祐梨の口元からは、息が真っ白になっていた。
今日はそのぐらい寒い。しかも今は夜中、寒さは尋常じゃない。
なのに、二人で河川敷に来ていた。
そう、話しは数時間前に遡る。
朝登校している時、祐梨が「今日は流星群が見えるんだって」その言葉を呟いたこと。
「流星群か…、俺まだ見たことないな…」
「それじゃあさっ」
一緒に今夜見ない?
その言葉に俺も頷いた。
「祐梨、寒くないか?」
「大丈夫、それに」
それに?と口を開こうとしたら、祐梨が俺の腕に抱き着いた。
「真一が暖かいから大丈夫」
「///」
鼻の先も頬も夜風の寒さで真っ赤になっているのに、無理しなくていいのに。
そう思って、俺は祐梨の肩をぐっと引き寄せた。
「この方が、暖かいだろ?」
「中途半田のくせに大胆、」
煩いと、口を尖らせると祐梨はゴメンねと笑い、俺の肩に頭を乗せた。
「あったかい。」
そう言いながら微笑む祐梨に俺も思わず笑顔になった。
「流星群、見えないね」
「そうだな…」
そういえば来てから1時間近く経っている。
夜も遅いし、あまり長居は出来ない。
「でも、流星群見えなくても、今日来てよかった。」
「どうして?」
「真一と、一緒に居られたから」
私幸せだよ?と笑う祐梨が可愛いくて、愛おしくてたまらなかった。
祐梨の笑顔は、星より、流星群よりも綺麗だと思った。
「俺も、幸せだよ」
ギュッと抱きしめると、祐梨が腕の中にスッと収まる。
祐梨を離したくない、ずっと一緒にいたい、守りたい。
次々と想いが溢れてきた。
「ずっと、一緒にいような。」
「うん。」
この先いろいろな事があると思う、けど、最後には二人で笑って、一緒にいたい。
流れ星に願いをその時、夜空には無数の流星が輝きを見せながら流れていた
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初短編は、半田で!!
なんか、途中から半田なのか不明に←
流星群見損ねた…。
23.12.18
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