いつだって、好きです 


「かーぜまるっ!部活終わった?」

「あぁ、待っててくれたのか?」

すると祐梨は満面の笑みで頷いた。

「じゃあ急いで着替えてくるから待っててくれ」

その言葉を聞いて「わかった」と門まで走っていく姿には何処か子供の頃を思い出させる。

転ぶなよ、と思わず言ってしまいそうになるような危なかっしさがある。

「今日も来たの?風丸の彼女。」

ラブラブだね〜と言ってくるマックスに煩いとツッコミながらも帰る為の準備を始めた。





「てーのひらをたいように〜」

帰り道、祐梨はご機嫌なようでさっきからこの調子だ。

握っている手が時々その歌声にそって揺れる。

「ご機嫌だな、祐梨。何かあったか?」

「んーん。何もないよ、ただ」

「ただ?」

「やっぱり内緒」

何だよそれ、と言うと祐梨は悪戯気に笑った。

でも、とても綺麗な笑顔だった。

「あ、そーいえば、小さい時も一緒に帰ったよね」

「そうだな」

小学校の頃からずっと一緒だから、よく一緒に帰る機会があった。

昔から祐梨はいつもニコニコしていて、本当に太陽みたいな笑顔だった。

そんな祐梨がずっと好きだった。

「私さー、今小学校の時の事思い出したんだ」

ぽつりと、祐梨が口を開いた。

「俺もちょうど小学校の時の事思い出してたな」

「知ってる風丸?」

「え?」

立ち止まった祐梨を見ると、くっきりとした二重の瞳が俺を見ていた。

「私、その頃から風丸が好きだったんだよ?だから、今とっても幸せ」

「っ!!///」

そのまんままた足を進めようとした祐梨を思わず抱きしめた。

「わ、風丸!?」

「不意打ちなんだよ、ばか」

ずっとあの頃は片思いだと思ってた。

でも、まさか祐梨と同じ思いだったなんてな…。

「俺もだ。俺も、あの頃から祐梨が好きだったよ」

「今は?」

「好きだよ、ずっとな」

すると祐梨は顔を上げていつもの様な笑顔だった。

大好きな、太陽の様にな笑顔。
「私も、風丸が大好き!」

ほんのりと頬を赤くしながら祐梨は笑った。





いつだって、好きです


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お題:ひよこ屋

24.2.18

   end 
(1:1:23)
bkm
 
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