本日二度目の叫び声 

「うぎゃぁぁぁああ!!!!」

とある日の放課後、サッカー棟の方から叫び声が聞こえた。

その声に、グラウンドで練習していたサッカー部面々は足を止めた。

「今のサッカー棟からだよな?誰だ、今の叫び声?」

「ちゅーか、あんな大声だせるの祐梨だけだろ」

「「あぁ…、確かに」」






「ぎゃはははは!!!!!ひー、ひー」

「か、狩屋ぁ…」

私は半泣きになりながら、先程から爆笑している狩屋を睨みつけた。

「は、本当おもしれー。『ぎゃぁぁ』ってお前もう女じゃないだろ?」

お腹を抱えながら狩屋は私に言う。

「ううう煩い煩い!!!!!」

何故こうなったか。

それは数分前に遡る。

私はマネージャーの仕事としてタオルとドリンクの用意をしていた。

サッカー棟戻って戸棚の上にあるタオルに手を伸ばした時に、事もあろうにこの狩屋は私の横腹をくすぐったのだ。

そして、冒頭にいたる。

「そもそも、女子の横腹をくすぐるって、あんた変態!?」

「はぁ?祐梨が女子?笑わせんなよ」
「黙れバ狩屋」

悪戯が成功したからか、心底嬉しそうな表情をしている。

普段からそうゆう素を出せばいいのに、なんで猫被るんだか。

「にしても、今の声絶対外まで聞こえたじゃん。あー…、先輩達にまで聞こえたよね…」

考えただけでも頭が痛くなる。

絶対変な奴だと思われたよなぁ…。しかも、あんな女らしいない叫び声を。

「もう!!ほんっっと最悪!!」

「そんな涙目で睨まれても怖くねーよ」

椅子に座って、あぐらをかくように座っている狩屋は、余裕の表情で私をみている。

ちくしょう。

「そもそも、なんで狩屋がここに居るわけ?練習中でしょ?」

横目で狩屋を睨みながらも、タオルをたたんで纏めてから、ドリンクを作りはじめた。

「んー。なぁーんか祐梨に悪戯したくなってさぁ。そうしたら、やっぱり祐梨は期待裏切らないよな」

「その気まぐれ心どうにかしてよ」

先程の事を思い出したのか、また狩屋は笑いだす。

もう一発殴ってもいいよね?ここまできたら。

「はぁ…。どーせ私は女らしくないし可愛いくないですよー」

よし、ドリンク終わり。

ドリンクを作り終わって、カゴに纏めながら嘲笑混じりに言う。

もういいよ、先輩方にもそう思われただろうし。

「本当にそう思ってるわけ?」

急に狩屋が聞いてきた。

「うん。まぁ本当の事だしさ。」

カゴを持ってグラウンドに向かおうとした時に、急に狩屋に腕を引っ張られて、カゴから手を離してしまった。

あ、中身大丈夫かな。

そんな心配をしている時、私はと言うと、狩屋と壁に挟まれている状態な訳で。

「え?何コレ」

「俺がなんで此処にいたか、だろ」

祐梨と一緒にいたかったから

狩屋が耳元で言うもんだから、思わず体がビクッとした。

こうゆう事に免疫のない私きっと今顔から耳まで真っ赤だろう。

「は、はぁ?」

「照れてんの?かわいー」

「ち、違うし。訳わかんない。な、なんで狩屋が私に?」

目線を外しながらも狩屋を聞くと、狩屋はたいそう楽しそうに笑う。

「祐梨が好きだから」

「え、な、」

何と言ったか聞き返そうかとしたとき、狩屋が私の頬にキスした。

「次は此処にするから、楽しみにしとけよ」

と、狩屋の指私の唇に触れた。

「な、な、なぁ…/////」

「俺から見たら十分可愛いぜ。祐梨ちゃん」





本日度目の叫び声


恥ずかしさのあまり私はサッカー棟を飛び出した





おまけ


「祐梨どうした?顔が赤いぞ」

「きゃ、キャプテン!なんでもないんです」

「そう言えばタオルとドリンクどうしたんだ?」

「あ…、」


質問は上から神堂、霧野

*********


短編久しぶりの更新です!!

マサキ本当可愛い!!
狩屋は攻めのイメージですね←

狩屋小説書いてて楽しかった!!



24.1.30
┗24.2.14 移転

   end 
(1:1:23)
bkm
 
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