背伸びした恋 | ナノ








いつもの広場。

ここに来るのもすっかり日常になったなぁ、なんて考えながらぼんやりと時間が経つのを待っていた。

少し前までは、ただ一人で何も考えずにいられるから来ていたこの場所も、今では愉しみの一つになっている。

前まではそんな風に思ってなかったのになぁ…。

「不思議だな、なんでだろう」

早く蘭丸くんが来ないかなと思いながら時間が経つのを待った。





しばらくすると、綺麗な桃色のツインテールの少年が見えた。

本当、最初に見た人は女の子と間違えてもおかしくないだろう。

「先輩、なんか失礼な事考えましたよね」

「いや、蘭丸くん可愛いなぁって。なんでわかったの」

「そうゆう顔してました」

え、それってなんかやばくないかと思いながら頬を摩った。

頬が緩んでたのかな??

「あと、前々から言ってますけど、男が可愛いって言われても嬉しくありません」

少しふてたような表情をした蘭丸くんの額を軽く小突いた。

「そんなにふてた顔してたらカッコイイ顔が台なしになるよ」

そう言ったら蘭丸くんは少し驚いたような表情をしていた。





「そういえば、前から気になってたんですけど、」

ベンチに座ってはなしをしている時に、蘭丸くんが思い出したように言った。

「先輩っていつもそのリボン付けてますけど、何か特別な物なんですか?」

その瞬間、少しドキッとした。

私が黙っているからか、蘭丸くんはきまづそうにこちらを向いていた。

しばらくしてから、私は蘭丸くんの手を引きながらあの木元に向かった。

「えと、先輩?」

「とりあえず、登ろう」
ひょいと慣れたように木の上に登ってから蘭丸を呼ぶと、蘭丸も軽々と登ってきた。

さすが運動部。

「綺麗でしょ、いつかこの景色見せてあげたいと思ってたから」

「本当、綺麗ですね。」

夕焼けの街に溶けていくように沈む夕日を見ながら、私は口を開いた。






過去をりましょう


茜色の空を見ながら私は過去を語った




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