背伸びした恋 | ナノ








「な、何やってるんですか!?」

いつもの用にあの木の上に登ってぼんやりしていると、下から慌てたような声がした。

下を見ると、少し焦ったような蘭丸くんがいた。

「あれ?蘭丸くん?部活は?」

聞きかえしながら下に飛び降りた。

「終わりましたよ…、って、じゃなくて危ないですよ…」

「ん、大丈夫大丈夫!いつもの事だからさ」

ケラケラと笑いながら言うと、蘭丸くんは呆れたようにため息をはいた。

その姿を見ると、やっぱり保護者かと思った。

あ、あれ?私の方が先輩だよね?

「怪我でもしたらどうするんですか」

「その時はその時!」

「…、たく。祐梨先輩は女の子なんですよ。怪我の後が残ったらどうするんですか。」

その言葉に、少し驚いた。

女の子、って。

いつもそんな風に女の子扱い皆してくれないんだよなぁ…、もはや何、むしろ扱い男としてされているような…。

「蘭丸くんさ、お母さんみたい」

「なっ!そ、そうゆうつもりじゃ…」

「もうさ、女の子として扱ってくれるのは蘭丸くんだけだよ」
もう自分の扱いの事を考えると、何故か涙がでてきたよ、あれ?

思わず蘭丸くんに抱き着くと、思った以上に蘭丸くんって逞しい。

あ、やっぱり男の子だな。

「な、な、なんですかっ//」

「あ、ゴメン、感動のあまり」

パッと離れて改めて蘭丸くんを見ると、…、ん?あれ?

目線が私の方が下じゃないか?

「蘭丸くん、私、先輩」

「え?はい…」

「なんで…、私の方が背低いの?」

「……。」

今更か、とも言う視線が痛い。

確かに背は高い方には分類はされないとは思っていたけれど、改めて現実を見ると、やっぱり悲しいよ。

「背が低い方が可愛いと思いますよ、俺的に」

「蘭丸くんのが、可愛い」

「……。」

「す、すいません」

ダメだ、気迫で負ける。

もう可愛いって言わない、本当。

目がマジだった、笑ってたけど目が笑ってなかった。


「蘭丸くん、目が笑ってないよ…」

「気のせいですよ」

いやいやいやいや、マジだマジ!!!!!

何とも言えずただ慌てていると、蘭丸くんの手が頭にのり、不意に頭を撫でられた。

「子供扱いしないでよ」

拗ねたように頬を膨らますと、蘭丸くんは薄く笑った。

「祐梨先輩には、何故がこうしたくなるんですよ」

「先輩としての敬意を払ってよ」

「多分、無理です」

「おいっ!」

思わずつっこんでしまった。

なんで私はいつも子供扱いされるのか、本当謎だ。

「でも、蘭丸くんに子供扱いされるの、なんか嫌じゃないんだよなぁ…」

無意識に口からでた言葉。

おかしいな、後輩に子供扱いされるの、本当は嫌なはずなのに。

「変だよね」

自嘲するように笑ってしまった。

今までこんな事なかったから。

「っ////ずるいですよ、」

「え?」

「な、なんでもないです」

蘭丸パッと顔を逸らしてしまった。

なんで急に??




言葉の



私はまだ知らない
(あ、もしかして、蘭丸くんがお母さんみたいだからか!?)

(それは違いますよ)






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