1
「あぁ…、壊滅的だ、なんだこの数字…」
現在図書館に居るため、声を抑えながら呟いた。
今私の手にあるのは、模試の結果。
中学3年の私達受験生はテストは毎月あるは、模試はたくさんあるはで勉強ずくしの毎日。
それでもこれまではなんとかなるだろう、と思いながら模試の結果なんてあんまり気にしてなかったけど…。
今や9月。
この時点での模試の結果は、なんとかなるだろうではすまされない。
「お前、英語赤点並なんじゃないか?高校いけんのか」
「だよねぇ…、この点数にはさすがに驚い…た?」
ん?今私は誰と話した?
学校で模試の結果をみたら友達に見られる恐れがあるから、わざわざ一人で図書館まで来たのに…。
恐る恐る後ろを振り返ると、なんでお前がいるんだ。
「南沢篤志」
「なんでフルネームなんだ」
敢えてツッコミはスルーした。
うん、なんで南沢がいるの、図書館なんかに。南沢なら女子と遊んでそうなのに。
「お前…、凄い失礼な事考えてただろう」
「え、心読んだ?!怖ッ!!」
「考えてたのかよ…」
ジトッとした目で南沢は見てくる、考えたわ!
「んで、南沢はなんでここにいるの?」
「勉強。それより、陽菓はなんでいるんだよ。」
「勉強?」
「……。」
その疑いの視線止めてくれないか。確かに私は図書館で勉強、そもそも勉強なんか好んでするタイプではないけども。
「あ!ちょっと、私の模試の結果(勝手に)みたんだから、南沢のも見せてよ」
そうだ、そのぐらいの権利はあるでしょう。
少しぐらい南沢も困るだろう、と意味のわからない期待が高まって思わずドヤ顔で手をだした。
すると、私の手の平には模試の結果がおかれていた。名前は南沢篤志と書いてある。
「お前自分で言っといて、何驚いたような顔してんだよ」
「まさか何の抵抗もなく、見せてくれるとは…」
そんな事をいいながら模試の結果を見ると、
「え?えぇ!?」
そこには私の模試の結果にはないような数字が並んでいた。
→