俺の横の奴は楢河陽菓。

頭はお世辞にも言いとは言えない。

特に英語ときたら、こっちが心配になるぐらいの点数だ。

だから、言ってみた。

『俺が陽菓の家庭教師してやるよ』

最初はただ、何となく言ってみただけだったけど、陽菓ときたら毎回俺が出した宿題を必死にやって、図書館でも頑張って勉強して。

そんな陽菓といるのが楽しくなってた。

それで昨日の昼休み、俺がからかうのが楽しくて言った言葉から陽菓は急に弁当を作ってくると言い出した。

単純な奴、そんなことするぐらいなら勉強しろと言うべきかもしれないけど、なんだかんだで楽しみにしている俺がいた。

今思えば、陽菓に勉強教えてやるって言ったのも陽菓と一緒にいれるからなのかもしれない。

なんで、本当俺は陽菓対してこんな気持ちを持っているんだか。

多分見ていて飽きないからだとは思っているけど。

『南沢が誰かに世話やくなんて珍しいな』

三国が言った言葉に、俺も納得した。

確かに、俺は今まで自分以外の誰かに世話を妬いたこと事なんてないだろう。

なのに、なんで陽菓には世話を妬いてしまうのか。

その真意は、正直自分でもわからない。

でも、なんでか陽菓と一緒にいたいと思うし、世話を妬きたくなる。

本当不思議な奴だ。

横を見れば、授業が始まったにも関わらず寝息を立てている陽菓がいる。

霧野よりも薄いピンク色の髪の隙間から表情が見える。

心底幸せそうに寝ている。

起こすのも悪くなるぐらい幸せそうに寝ているものだから、起こすのを止めて、板書をはじめた。

しょうがないから陽菓の分も写しといてやるか。

そう思いたって二人分の板書を始めた。

この授業が終わったら授業中に寝るな、とどついてやらないとな、なんて考えながら。






いつからこんな世話妬きになったのやら



*************
いつか書きたかった南沢視点!
やっと書くことができたのに…、読み直したら、すっごい短かった…。


24.3.30




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