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「お、おぅ…」
油はねたっ!!!危なっ!!
あー、最近はまともに料理なんか作って無かったから手際が悪すぎるなぁ…。
そんなことを悶々と考えながらも作業を続けていた。
「ふぁぁ…」
情けないような欠伸がでてから時計に目をやると、いつもなら夢の世界にいる時間だ。
それだけにとても眠たい…。
たく、誰のせいでこんな事になってるんだか。
さいばしを手にとり、炒めものをしながら思うと、紫色の髪の人物が思いうかぶ。
いや、わかってるんだ、自分のせいだって。
それでも、なんだかんだ言って、作るのを楽しんでいる。
何でかなぁ…。
「あ、焦げるっ!!」
それからなんやかんやとあって、やっと弁当も完成。
作ってる最中は大層うるさかったであろう、お母さんが一度何事かと様子を見に来た程だ。
軽く支度を済ませてから学校に向かった。
「頑張ったと思わない?」
そのいきさつを三国に話すと三国は頑張ったなぁと笑ってくれた。
もう本当お母さんだ、この人。
「早く昼休みにならないかなぁ〜」
「今日の楢河は生き生きしてるな」
朝はだいたい機嫌が悪いのにと、三国が笑っていた。
そう言われれば、朝はだいたい機嫌悪いなぁ…。
朝くればだいたい三国に愚痴聞いてもらってる気がする。
なんか申し訳ない。
「お、南沢」
三国の声に教室の扉を見ると、南沢が眠たげな表情をしながら入って来ていた。
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