3
「あー、あー、あ〜?」
もはや頭の中はすっからかんで、糖分たりてなくて、もう何がなんだかわからない状態になっている。
現にさっきから意味のない言葉を発しながらシャーペンを必死に走らせる。
「だぁぁあ!!!!終わったぁあああ!!!!」
最後の1問を解き終えた私は机に突っ伏した。
「あれだけの問題…、閉館時間ギリギリまでかかるなんてな」
お前ある意味天才だな、と笑う南沢に殺意を覚えたのはとりあえず置いといて、今は家に帰れる事が嬉しくて仕方ないね。
「ん?閉館時間ギリギリ…?」
むくっと起き上がって、周りを見渡すと、来た時にはかなり埋まっていた席はすっからかんで、窓の外は真っ暗。
カウンターに居る事務員の人は、早く帰ってくれないかオーラをバンバンに出していた。
なんかゴメンなさい。
「んじゃ、帰るか」
鞄を持って席をたった南沢を急いで追いかけようと鞄を持ったけど、あ、中身机の上に散乱したままだ。
なんて冷たい奴なんだ、と悪態を尽きながら急いでプリントや筆箱などを鞄に突っ込んで外へ向かった。
にしても、終わった
らはいさようなら的に帰るなんて、ひど…
「はい、お疲れさん」
「へ?」
ひどいと言ってやろうと思った人の声がしてふりむくと、その張本人がいた。
その瞬間、何かが頬をあたった。
「あ、熱っ!…、ん?これ…」
「奢り。感謝しろよ」
さっきの熱い物はココアだった。
自販機は確か向かいの公園にあった。
わざわざ買って来てくれたの?
「な、なんで?」
「頑張ってたからな。それにこの時期夜は寒いからな」
受験生に風邪は天敵だろー、と言いながら南沢は先を歩きだした。
私も慌て後を追う。
→