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「俺がなんであんなこと言ったか、知りたいんだろ?」
「うん」
「単純にあの結果みて、陽菓が高校行けるか心配になったんだよ」
「み、南沢…」
まさか、南沢がそんな心配をしてくれるなんて…。
私は今まで南沢を誤解してたよ。
「俺と同じクラスの奴から浪人するやつが出るなんて、将来恥ずかしくて話せないだろ?」
「は?」
今なんとおっしゃった、こやつ。
「結局自分の為?」
「当たり前だろ?」
けろっとした表情で言う南沢を殴りたい衝動に駆られたけど、必死に押さえた。
「陽菓も、高校行けなくなるのは嫌だろ?」
「う、ま、まぁ…。」
「じゃあ別に問題ないだろ?」
「うん…??」
何かいいかんじに丸め込まれた感じがするけど、私も高校に行けなくなるのは嫌だし、断る理由はないか。
「じゃあ…、お願いします…」
「最初から素直になればいいのに」
「はぁ?人が今素直に…」
お願いしたのにその言葉は…、とか言おうとしたら目の前に何か突き付けられた。
「な、何これ??」
受けとって見ると数枚のプリントだった。
そこには英単語がそこかしこに書き並べられている。
もはや何語?
「陽菓の。今ここでやれよ?わかんねえとこは一応教えてやるから」
とは言われても、最初のあたりから全然わかんないんだけど。
「あ、あい、は」
何て発音するんだ?!てか問題の意味わからないから答えようがないじゃん!!
「あー、それと」
問題がわからな過ぎて半泣きになりながら南沢を見ると、まぁたいそう黒い笑いを浮かべていました。
「それ全部終わるまで帰さねーからな」
目の前に鬼がいる
私はいつになったら帰れるんだろう
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受験の時、英語したくなかったなぁとか思い出して←
24.1.9 祐稀