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あれからと言うもの、人目に着きにくい場所へ行って、未だに止まる気配をみせない涙を拭いながら座り込んでいた。

幸い、今日は休日だから朝のこの時間帯は人が少ないらしい。

あぁ、またやってしまった。

どうして同じ過ちばかり繰り返してしまうのだろう。

さっき、あまりの事に風丸を否定するような言葉ばかりをぶつけてしまった。

風丸が苦しんでいるのにきづかなかった、だから風丸はあんなにも力に執着してしまったんじゃないか。

ただ、怖かった。

目の前の、彼は風丸ではない、まるで別人の様な目をしていた。

優しい風丸の目とはまるで違った。

光を失っていた。

彼を見ていたら、風丸が消えてしまうような気がした。

どうしよう、行かなくては行けない、でも足がすくむ。

怖い…。

『だから…ずっと一緒にいてくれ、祐梨』

ハッと脳裏を過ぎったあの日の約束。

照れ臭そうに、でも優しく笑っていう風丸。

あの風丸から、笑顔を奪ってしまったのは私じゃないの?

私はずっと気づけなかった。

風丸が別れを切り出したあの日、もう強くなれないと言ったあの日。

さっきだって…

自分の事でいっぱいいっぱいで風丸の気持ちなんて何も考えていなかった。

『本当に、そう思ってるの…?』

『いかないで、』

『貴方はどこにいるの…?』

私の言葉は、どれだけ風丸を追い詰めていたのだろう。

風丸は、いつでも私の事を考えていてくれたのに。

ゴメン風丸…、私のせいだよ。

なのに、あんな事言ったりしてゴメン…。

もう逃げないよ。

迷いなんて全て消えた。

意を決して、足を進めはじめた。

向かう先はもちろん…。






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