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あぁ、どうして人は大切な人を傷つけてしまうんだろう…

雨が降り続いている、そんな中俺は先程から全然動かず、ただただ呆然としていた。

思い出すのは、あの何とも言い表せない、祐梨の表情。

あの顔を思い出すと、心が痛む。

『俺と、別れてほしい』

自分の言った言葉がいつまでもこだまする。

『もう、祐梨の横にはいれないんだ』

何度も、何度も…。

『本当に、そう思ってるの…?』

震えながら、弱々しく言う祐梨が…。

「思って…、ねえよ…」

本当は、祐梨といたい、一緒にいたい。

祐梨の笑顔がみたい、俺の名前を呼びながら嬉しそうに駆け寄ってくる祐梨を抱きしめたい。

好きだ、本当に…

でも…

だからこそ、

側にはいられない…

知ってしまったから

自分の無力を…

自分の実力を…

遠征と称して行われているのは、エイリア学園と呼ばれる者達とのサッカーの試合。

奴らのサッカーは、次元が違うんじゃないかと思われるものばかりだ。
パワーもスピードも。

本当に宇宙人なら、人間の力で太刀打ちできるのだろうか?

今回は何とか勝てたが、また強いチームと戦う事になるらしい。

正直な所、俺は、今以上に強くなれる気がしないんだ。

こんな情けない姿、見られたくなかった。

祐梨なら「一緒にいてあげる、だから一緒に頑張ろう」って言ってくれるだろう。

でも、ダメなんだよ。

それじゃあダメなんだ。

祐梨には心配事をかけたくない。

俺は祐梨を守ってやれるぐらい強くなりたい。

だから、こんな弱い俺は、祐梨の横にいる資格はないんだ。


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