1「祐梨!!」
名前を呼ばれ振りかえると、試合直後の風丸が走ってきていた。
「おめでとうっ!すごかったよ!」
私もまだ興奮が冷めてないようで、余韻がまだ残っていた。
すると、風丸は少し視線をさげた。
「俺さ、正直…、途中諦めかけてたんだ…」
「え…?」
「でも、そんな時聞こえたんだ、祐梨の声が」
「私、の…?」
あの広いスタジアム、あのたくさんの歓声のなかで…?
「祐梨が俺達が勝つ事を信じて応援してくれている、だから俺も諦められない、そう思ったんだ。」
だから、ありがとうと笑顔で言う風丸をみて、また視界が歪んできた。
「そんな、私はなんにも…」
「いや、祐梨のおかげさ」
すると、急に私は温かさに包まれた。
風丸に抱きしめられてる。
「俺は、祐梨がいてくれたら、ずっと頑張れる。また祐梨に応援にだってきてもらいたい。だから」
「ッ!」
その後の言葉を聞いて、抑えていた涙が流れた。
「だから…ずっと一緒にいてくれ、祐梨」私は、一緒にいて、風丸の横にいていいんだね。
「ありがとう、風丸」
なみだがきらめく(たく、泣くなよ)(〜ッ無理)
そういいながら、二人で笑い合った。
この時は、ずっと一緒にいられるそう信じていた。
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