10風丸達イナズマジャパンが世界一をかけて戦う場所、ライオコット島に飛び立つ日。
私はお見送りのために空港まできていた。
空港へ着くと、見慣れた雷門生も何人かいて、ワイワイとしている雰囲気だった。
「皆楽しそうだね」
「本当にな。」
他の人に迷惑がかからないぐらいにしてほしいけどな、と困ったように笑う風丸が、まるで保護者のようで、思わず笑ってしまった。
笑うなよ、とふてたように言う風丸にゴメンと謝ると、風丸に急に抱きしめられた。
ここ空港なのに、と最初はワタワタしていたけど、そっと私も肩に腕を回した。
「それじゃあ、行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい」
どうか、風丸達が世界一になれますように、と願いながら言った言葉。
今度会う時は、笑っておかえりと迎えられますように。
メンバーがジェット機に乗り込み始めようと動きだし、風丸もその後を追い進んでいった。
しばらくの間、さよなら。
少し寂しい気持ちに教われたけど、今は笑って見送ろう。
そう思っていると、不意に風丸はこちらへ向かって戻ってきた。どうしたのか、と駆け寄って尋ねようとしたら、急に後頭部に手が回ってきて、そのまま引き寄せられた。
何が起きたのか考える暇もなく、降ってきたのは、風丸からのキスだった。
驚いて見ると、風丸は悪戯っ気に笑っていた。
でも、かっこよくて、大好きな風丸の笑顔だった。
さよならのあとに
「大好きだよ、祐梨」
「私も大好き」
(次に会う時は、また貴方/君に伝えるよ)
(大好きだって、この気持ちを)
24.4.18 end
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