8パシンッと渇いた音と共に、俺の頬に衝撃が走った。
あまりに突然の事で目を見開いていながらも、祐梨の方を向いた。
祐梨の目からは涙が溢れていて、悲しそうな目をしていた。
なんでだ、どうしてそんな顔するんだよ。
俺は強くなったんだ、力を手に入れた。
だからもう祐梨を傷つける事はない。
そう思っていたのに、なんで祐梨はあんなにも苦しそうな表情をしていたんだ。
叩きつけるように叫ぶ祐梨をみていると、何とも言えない感情が入り混じる。
前の俺は弱くなかったという、そんな事は無いだろう。
俺は弱い、だから祐梨を傷つけたんじゃないか。
それなのにどうしてなんだ…。
貴方はどこへ行ったの?
去り際に祐梨の呟いた言葉がこだましていた。
しばらく呆然としていたら、ジワジワと痛みを感じ始めた。
祐梨に叩かれた頬が…
エイリア石を手に入れた俺は、普通の人が叩いたぐらいではそんなに痛みは感じない。
なのに、何故か痛かった。
やさしいてのひら
祐梨の手が、祐梨の言葉が、俺の心を締め付ける
*************
な、長かった…。
今回の話はDE風丸をだすため、内容を考えるのが非常に難しかったです。
さいごの、やさしいてのひらに繋げるためにいろいろと長かった…。
風丸の痛みは何ていうか、単に叩かれたから痛いっていうんじゃなくて、
ヒロインの言葉一つ一つが心に響いて、…、うーん表現が難しい(-"-;)
とにかく、風丸はヒロインの事をずっと想ってるんですよ。
たとえエイリア石の力に溺れていても、ヒロインに対する気持ちだけは。
だから痛かった、と言うのを表現したかったのに、全然表現仕切れなかったけとが無念…
24.2.27
prev|next