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あてもなしにいろんな所を走って行った。

円堂からの電話は、風丸がイナズマキャラバンを降りた、ということ。

細かい事はよくわからないけど、とにかく、サッカーを止めた…ということになる。

なんで、なんで!!

どうして、風丸が…。

あの時、そんな事一言も言わなかったじゃん…。

もう風丸の側にいられなくても、風丸が頑張ってるサッカー…応援しようと思ったのに。

なんでこんなにも必死に探しているんだろう。

会った所で、突き放されるかもしれないのに。

でも、それでも、風丸がサッカーをやめるなんて、よっぽどなんだ。

そんな時、風丸を一人になんてしておけない。

心のなかでそう響いている。

だから私は風丸を探しているんだ。

どこ?どこにいるの?

もしかしたらと、向かう方向を変えた。

その時、また頭が痛み始めた。

ずっと走っているせいか、息遣いも荒くなってきた。

それでも、走り続けた。

そう、河川敷。

あの場所になら、いる気がした。

走って向かい、河川敷に着くと思わず涙がでそうになった。

何処かで安心したからだろうか、そこには、あの日と同じように見慣れた後ろ姿が見えたから。

でも、酷く弱々しく感じた。

「風丸…、風丸ッ!!!」

大声を張り上げて名前を呼ぶと、風丸がこちらを振り返った。

遠目だけれど、風丸の瞳には驚きが混じっていた。

でも何処か光を失っているようにも感じた。

ねえ、何があったか教えて?

どうしても、風丸がそんな風になってるのを見て見ぬふりなんかできないから。

他の誰にも言えないでも、私にぐらい言って?

だって、風丸は私が辛い思いをしている時、いつも側にいて、一緒にいて話を聞いてくれたから。

今度は、私の番だよ。





たりきりだから


全部話して?
風丸が抱えてる事、辛い事も苦しい事も

一人で抱え込まないで…






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