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いや、違う…

俺は、言い訳を…してる

本当は、自分を守っているだけなんだ

いつか、どうにもならないぐらいボロボロにやられたとき

もう弱音ばかり吐いてしまいそうで

そんな姿を、祐梨がみて、愛想を尽かされるんじゃないかって

それが何より怖いんじゃないか?

「っ、はっ、はは」

自分に呆れた、思わず自嘲気味に笑いを零した。

そうだ、自分がそうなった時、もう立ち上がれないぐら傷ついてしまわないように、

俺から別れを告げたんだ

その言葉は、祐梨にとってどれだけ残酷な言葉か、わかっていながら…

俺は自分が傷つかないようにしようと、祐梨を傷つけたんだ。

傷つけたく、なかったのに。

自分で傷つけた。

「最悪、だ、な」

空を見上げると、果てる事のない闇が広がり、冷たい雨が降り注ぐ。

結局、俺は弱い、

自分を守るために、大切な人を傷つけてしまった。

これで本当に、祐梨の横にいる資格は無くなってしまった。

「ッ…」自分で選んだはずなのに…

後悔で、虚しさで、胸がいっぱいだった…

また、朝がきたら、雨がやんだら

また俺を見送りに、祐梨が来てくれるんじゃないかって、考えている自分がいる。

そんなわけ…、絶対にないのに…

『だから…ずっと一緒にいてくれ、祐梨』

フットボールフロンティアで優勝したとき、祐梨を抱きしめながら、俺の言った言葉が脳裏を過ぎった。





あのひのくそく


守ってやれなくて…、ゴメン…




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