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雷門イレブンが遠征に向かい数日が経った。

イナズマキャラバンという乗り物で行動するらしい。

ずいぶんと大事なんだな、と思った。

しかも、帰ってきたらまた遠征、と度々続くらしい。

かなり疲れてるだろうな。

体調は崩していないだろうか。

そんな事ばかりが頭を染める。

外をみると、空はグレーの雲で覆われていて、ザーザーと雨が降り注いでいた。

明日には、帰ってくる、と言う話しを聞いた。

明日まで降り続かなければいいなぁ、と思いながら傘を開き、帰路を進んだ。




夜ご飯を食べてしばらくしてから急に機械音が自室に響き渡った。

携帯を開くと、受信ボックスにメールが着ていて、内容を見た時、私は夜の野外に飛び出した。

向かうはいつもの河川敷。

急いで向かうと、見慣れた空色のポニーテールが見えた。

「風丸ッ!」

私が叫ぶと、風丸は振り返り、私をみて、薄く笑った。

「どうして?明日帰ってくるんじゃ…」

「今日の夕方帰ってきたんだ。明日の早朝には、また遠征らしい」

「そう、なんだ…」さきほどから暗く思い空気が漂う。

それは、今にも雨が降り出しそうな今の空のように、重く、暗く…。

風丸をみても、俯いたままだった。

「風丸、どうし…」

「なぁ」

私の言葉を遮るように風丸は口を開いた。

「俺と、別れてほしい」

え?と思わず口に漏れ、聞き間違いかと風丸を見るけど、冗談を言っているのではないと伝わってくる。

「もう、祐梨の横にはいれないんだ。」

「どうして…?」

なんで?なんでそうなるの?

わかんないよ、ちゃんと教えて?

「ねぇ、風丸ッ!」

風丸のシャツを引っ張って、風丸に訴えるけど、やっぱり風丸は何もいわず、虚ろな目をしていた。

「本当に、そう思ってるの…?」

震えながら、やっとの事で紡いだ言葉。

それでも、風丸は口を開いてくれない。

「ッ!」

その場にいるのが辛くて、私は風丸に背を向けて走り去った。




行くあてなんかないけど、とにかく無我夢中に走った。

いろいろありすぎて、頭の中がぐちゃぐちゃで気持ち悪い。

ただ、さっきの言葉が夢か、何かの間違いであってほしい。

そう思いながら、ただ走った。

「ぃ、たッ!」

長く走ったせいか、足がもつれて地面に転んだ。

いたい、痛い、イタイ

転んだ所じゃない。

心がイタイ。

急に降り出した雨が、夜の街を濡らしていく。

ゆっくりと上体をあげて、空を見上げると、冷たい雨が頬を滑る。

その冷たさが、これが現実である事を物語っているように感じた。

だれか嘘だといって?

私どうしたらいいか全然わからないよ。

どうする事もできなくて、私はただ、声を上げて泣く事しかできなかった。




なしみはどこへ



貴方の一言は、私の悲しみを溢れ出すには十分過ぎる





nextあとがき.反省


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