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「遠征?」

昼ご飯である弁当を食べながら円堂が言った事に対する疑問を言った。

「あぁ!」

遠征って遠くに行って試合するんだよね?

「大変そぉ…、」

この間フットボールフロンティアが終わったのに、遠くまで行くなんて大変だよね…。

ふと風丸や豪炎寺をみると、少し表情を曇らせていた。

あれ、なんか私悪い事言っちゃった…?

「ご、ゴメン。大変だよね、なのに軽々しく言っちゃって…」

「いや、祐梨のせいじゃないんだ…。だから気にするな」

薄く笑って心配するな、と風丸は言うけど、その表情はやっぱりどこか暗い。

「とにかく!練習だ!練習!その為にもまずは腹ごしらえだ!」

と、円堂はこの空気を吹き飛ばすような勢いで叫び、パンを大量に食べ始めた。

そうだな、と、風丸と豪炎寺も空気を変えたので、深く追求するのを止めた。

それでも、どこかひっかかる所が残っていた。





「それにしても、明日だなんて急だね…」

部活を終えた風丸と帰りながら口を開いた。

今日の昼休みの話での遠征は明日らしい。

かなりの急をようするんだな。

「あぁ…」

「風丸…?」

やっぱり風丸の様子が変な気がする。

「どうか、し…た…?」

ドシャッと言う音を立てて鞄が地面に落ちた。

その鞄を拾う事はできない。

何故なら、風丸の腕の中にいるからだ。

「かぜ、まる…?」

やっぱりおかしい、いつもと違う。

だから私も何もいわず、そっと風丸の背中に手を回した。

すると、風丸も少し抱きしめる力を強くした。

ただ静かに時間が過ぎて行くのを感じた。

沈む夕日だけが、私達を静かに見守っているようだった。

しばらくしてからふと、温かさが薄れていった。

「急に、悪かった」

「ううん。」

ねぇ、どうしたの?風丸。

どうしてそんな顔をしているの?

貴方は今、何を見ているの?




まっすぐつめて


風丸が何を見ているのか、わからないよ



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