2雷門中が、フットボールフロンティアで優勝してから数日が経った。
しばらくの間はその喜びで溢れていた。
学校も街も。
そりゃそうだよね、だって日本一だもんね。
あの決勝は今でも忘れられない。
自分の事のように嬉しかった。
風丸達の頑張りが、優勝という結果に繋がってよかった。
風丸、ずっと頑張ってたもん。
それは、私が一番よく知ってる。
「…?一番…?」
ん、いや、一番ってのは自惚れかな…?
いや、一番であって欲しい…。
んでも…。
「ぷっ、ははっ」
「!!」
ハッと横をみると、風丸が楽しそうに笑っていた。
そうだ、いろいろ考えてたけど、ここ教室じゃん!
「わ、笑わなくてもいいじゃん…!」
「わりぃわりぃ、なんか祐梨が一人で悩むような仕草したり、なんか解決ような表情するからさっ」
「ーッ///」
あー!自分馬鹿、馬鹿すぎるー!!!
今穴があったら今すぐ入る、ってかスライディングで一刻も早く!!
よりによって、風丸に見られたなんて…。
「そんなに落ち込むなよ」
「だってさぁ…。」
まだ見られた人少なくてよかった。
ちょうど円堂と豪炎寺が購買に何か買いに行ってていなかったし。
他の人も休み時間だから、それぞれいろんな人と話してるから見てないと思うし。
でも風丸…、風丸と二人の時になんで…。
「まぁ、俺的には円堂達がいなくてよかったと思うぜ」
「確かによかったけど…、え、俺的に?」
なんで、と言うような視線を送ると、こそっと教えてくれた。
「祐梨可愛いかったから、見てるの俺だけでよかったなって」
「はっ?!///」
ガシャンッと音を立てながら立ち上がり、風丸を見ると、あぁ、確信犯だ…。
風丸ってこんなキャラだったっけ?!
「たっだいまー!いやさ、購買混んでて遅くなった」
教室のドアが空き、パンやらジュースやらを抱えた円堂と豪炎寺が現れた。
「あれ、顔赤いぞ祐梨。熱か?」
「ち、違うよー!気にしないでご飯にしよ!」
そうだなって言って、円堂も椅子を動かし、続いて豪炎寺も椅子を動かした。
豪炎寺サン、ナンデスカ、ソノシセン。
勘が鋭い豪炎寺さん←。
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