通常業務をこなしている際、慌てたように署長室に入ってきた名字はこう切り出した。


「署長!今日はちゃんと閉ざされていて暗い場所の情報を持って参りました!」


今日もそんな話題かっ!


「おお、でかした!早速聞かせてくれ」

「アンタら勤務中に何をしてるんだ」

「副署長!これも立派な仕事です」

「何処がだ」

「…して、その場所というのは?」

「はい!とても身近なものでした。時間が無く実物は用意出来ていませんが…ズバリ、棺桶です!」

「棺桶…!」

「いくら署長でもそれは無いと思いマッシュけど…」

「確かにそうだな!見逃していた。早速おれのサイズを作らせよう」

「作らせるのかよ」

「だと思いまして、発注してあります!」

「発注済みー!?」

「おお…!さすが、出来る部下は違うな」

「はい!部下として当然のことです」

「出来上がったなら隣に」

「是非、入れて下さい署長…!署長ならそう言ってくれると信じて大きめのサイズを発注してあります」

「名字、お前には感心するばかりだ…」

「もう二人して永眠してしまえばいいと思いマッシュ。そうすれば私が署長に…」

「ハンニャバル、今回は特別にお前のも用意してやろう」

「署長の毒をたっぷり入れた棺桶をご用意します、副署長」

「いりませんそんなの」

「そんな、」

「遠慮しなくていいんだぞ」

「「ハンニャバル(副署長)」」

「ハモるな!」

「墓標には馬鹿な部下此処に眠るとでも書いておこう」

「そうですね、馬鹿な上司此処に眠るとでも書いておきましょう」

「それじゃあお返しにバカップル此処に眠ると書いてやります」

「バカップルではないぞ、ハンニャバル!」

「私と署長は」

「「夫婦です」」

「エエー…」

「いや、まだ婚約者とでも言うべきか」

「まあ…!嬉しいですわ」

「プロポーズの言葉は」

「「一緒の墓に入って下さい」」

「もう嫌だこんな上司と部下なんて」


署長と名字は見つめ合い、二人の世界へと入っていった。さっさと仕事終わらせろっ!

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