「ねえアントーニョ、」
「んー?」
「手がね、暖かい人は心が冷たいんだって。」
ふふ、と笑うなまえにそうなん?と首を傾げた。年は明け、春に向かって準備している季節と言えどまだまだ寒い。
繋いだなまえの手はひんやりとしていて反射的に鳥肌がたってしまった。暖かいね、と微笑む彼女と先ほど言った彼女の言葉が矛盾していて少し混乱してしまう。
「ぬくぬく」
「…なまえ?」
「?」
「なまえは知っとる?」
「何を?」
「手がな、暖かい人は心が暖かすぎるから全身に熱をまわさんとオーバーヒートしてまうねん、」
きょとんとした表情のなまえに俺は続けて自論を話す。長々と話した後、やから手も暖かいんやで?と笑えば次は逆になまえが黙ってしまった。
「なまえ?」
「じゃあ、手が冷たい私は心が冷たいから?」
先ほど長々ど自論を話したせいでフォローができず口ごもってしまったが、ぴんと閃いてなまえに嬉しそうに話すのだ。
「なまえの暖かい気持ちが、親分に伝わったから親分はオーバーヒートしとんねんな、」
「?」
「やから次は親分がなまえに熱を送るんやで!」
暖かい気持ちは行き来するんやで!と付け足せばなまえは何とも嬉しそうに笑う。
少しだけ、なまえの手が暖かくなった気がした、
→ぬくぬく…暖かいわあ
(ぐだぐだ乙ですね。ちなみに私は先端冷え性でごわす。)
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