後藤と黒田
 後藤又兵衛→←黒田長政


目の前には同じ色、同じ形の髪。それに同じ場所に同じ飾りを着けた赤の他人が居る。

「なんですか」
「お前の方が背丈があるのに気に食わん」

じっ、と見つめた足は自分より少し長い。
だが言うほどは違わない、並べばやっとわかるくらいである。しかしだからこそ余計に腹が立つのだ。

「大した差じゃないでしょう」
「その態度も気に食わん」

結局の話はなんだ、違う所を認めたくないとかそんなこと。
なんて子供の我儘なんだろう、自分でもわかっているつもりなのに。

「じゃあこれで満足ですか?」

ひとつ小さな溜息をつき、ゆっくりと跪く。
なんだかんだ言ってこいつも相当甘い。でも馬鹿にされているとも取れる態度に尚更腹が立つ。

「満足出来るか」
「…あんたはつくづく子供だな」

跪いたと思ったら次は立ち上がり、立ち上がったと思ったら次は抱え上げられる。
意味がわからない。

「ほら、俺より高い」
「殺されたいか」

それこそ幼子をあやすように抱え上げられれば、誰だって怒るだろう。

「お断りだね」

鼻で笑ったこいつの頭を思い切り殴ってやった。



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