上杉主従
直江兼続+上杉景勝
※パロ、というかとある設定での話
※これの続きっぽい話
初めてだった。
触れられた手が赤くならない、痛みも全くない、所謂火傷の現象が起こらない。
「顕景様」
「…与六、か」
諏訪四郎。
彼はそう名乗った。誰だ、あの人は。
そして何故、自分は上杉景勝の名ではなく長尾顕景と名乗ったのか。
掴まれた腕をまじまじと見つめるが、何も変化はない。
「腕、どうかなさいましたか?」
「いや」
もう一度会ったら、もう一度会えたら何かわかるだろうか。彼は何だろう。
初めて興味が湧いた。
「…諏訪、四郎」
この閉鎖空間から出ることが出来るなら、彼に会いたい。