宇喜多と小西
 宇喜多直家+小西隆佐


※時代が行方不明



「…なぁ、」

「お前の倅を儂の息子にくれ」

「はぁ…?」

いきなり腕を掴まれ、ずるり、引き込まれるような感覚に襲われる。想像以上の力に油断していたとしか言えない。

「うちのもお前のには懐いておる」
「…断る、と言ったら?」
「死に方くらいは選ばせてやろう」

不気味なくらい綺麗に笑うものだから、思わず目眩がしそうになる。
それより二択のどちらも死ぬというのは如何なものだろうか。選ばせてもらっても全く嬉しくない。

「あぁでも、お前にはまだ生きていてもらわねばならぬのぅ」
「何でや」

「儂の代わりに見てもらいたいものがあるのじゃ」

闇に溶けてしまいそうな手を、ほとんど無意識に握り返した。
最近は、嫌な匂いがする。



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