織田と丹羽と明智
織田信長*丹羽長秀+明智光秀
※某ゲームの明智の話にうちの織田丹羽を参加
「赤い、首…」
「…満足、ですか…?」
絞められて切られた首は跡なのか傷なのか血なのか、恐らくは血液なのだろうがとにかく赤に染まる。だからそれに伴い長秀の首を握る信長の手も赤かった。
「少しだけ、な」
「では光秀殿は、帰していただけますか?」
いたって平然とした態度の長秀の言葉に信長は小さく舌打ちをした。
元はと言えば光秀が首を切られたのだ。もちろん出血も致死量には当たらない、信長の完全なる戯れだった。
今までも長秀にはそうすることがあったが、それが信長の機嫌が少し悪かった所為で光秀に矛先が向いてしまった。
「どうだ光秀、五郎左を盾に逃げるのは」
「光秀殿は悪くない、」
「…そ、れは…」
「これはうちの仕事です」
ぐっ、と信長が握る手に力を入れればまた血が首を伝う。それでも痛みに慣れている長秀の表情は変わらなかった。
長秀の首に残る深い傷跡。それを見た光秀は見てはいけないものを見てしまった気になったが、それも一瞬のこと。何故かそこから目が逸らせなかった。
「それとも、光秀殿の方がお気に召しましたか?」
「…いや、やはりこれはお前の方がいい」
「ありがとうございます」
目の前で行われている会話の真意が、光秀には理解出来なかった。
何故長秀は傷付けられているのに平然と笑うのだろう。
何故信長は信頼している長秀を傷付けるのだろう。
二人以外には理解出来ない範疇の話だった。