真田と、
 阿梅+?


彼は優しいし強い、だからお前を任せられるんだ。
父はそう言って嫌だと我儘ばかりの私を抱きしめてくれた。確かに逢ったこともない、それも敵軍の将に引き渡されるなんて不安で仕方なかった。

「でも貴方は、それがいいと言うのでしょう?」

頷く隣の少年に足はなかった、というより透けていて見えない。数日前から現れた、赤い陣羽織を纏った少年はもう彼岸の住人だから。
そして持っていないはずなのに、何故か鈴の音がした。

(もうすぐ逢えるよ)

少年は小さくそう言った。



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