伊達主従
梵天丸+片倉小十郎
※妖怪パロ的な
小さな子供は震えていた。嫌われるのを恐れてただひたすらに逃げていた。
でも空を飛べる私には敵わなくて、その腕を掴まえた途端、泣き出してしまった。
「見ないで、見ないでくれ…!」
「どう、してですか?」
「お前に、嫌われたくないっ、」
だけれど一体どこに嫌う要素があるのかわからなくて、思わず首を傾げる。確かに右眼は普通の人間とは違って無かったけれど、それが何なのだろう。
ゆっくりと手を伸ばし、触れたそこにはたくさんの感情が籠められていて、何故か自分も泣いた。
「…ど、どうしたのだ!?」
「わから、ない…」
記憶を読んだ訳でもないのに、どうしようもなく胸が締め付けられる。彼はこの眼を持った所為でどれだけ苦しんだのだろう。
二人で音も無く泣き続けた。眼を赤くして、涙が涸れるまでずっと。