松木と上杉
松木秀貞→上杉定勝(→直江景明)
貴方の居ない毎日が、怖くて怖くて仕方ない。
次はいつ会えるのかと、指折り数え楽しみに待っていた明日なんてもう要らない。
「千徳様、」
違う、違う。聞きたいのはその声じゃない。
「平八、平八っ…」
ねぇその声でこの名前を呼んで。
また一緒に手を繋いで知らない場所へ行こう。
笑って、傍に居ると約束して。
「どうしてっ…!」
戦なんてもう要らない。貴方を奪った争いなんて、何の価値があるの?
何も言わずに抱きしめてくれるその腕は、自分の望んだものではなかったけれどただただ強く掴んでいた。