阿部従兄弟
 阿部忠秋+阿部重次


※現パロ
※100%自己満足



「重次おはよー」
「おはよー、信綱は?」

大宮駅中央改札前、人の流れを掻き分けて駅周辺案内板の前になんとか辿り着く。時計は集合時間を指すが、彼らのリーダー的存在の信綱はまだ不在だった。

今日は東京で会議があるから近い奴はまとまって来い。とは上司家光のお達しであり、それで埼玉組は大宮集合をすることになったのだ。
忠秋は行田から高崎線、重次は岩槻から東武野田線、信綱は川越から川越線にそれぞれ乗り、大宮集合のはずだった。

「ん?まだみたい」
「ちょっと電話してみる」

遅刻など滅多にしない信綱のことだから、もしかしたら何かあったのだろうか。そんなことを考えながら携帯を開く。
最近電話をかけた所為か、リダイヤルの上位に陣取るその名前にコールをする。

『…もしもし』
「信綱、今どこ?」
『池袋』
「は?なんで?」
『遅延してるから東上線に乗った。これから上野行く』
「なんでメールしないんだよ」
『…忘れてた』
「じゃあ俺らも上野向かうからそこで合流な」
『ん、わかった』

ピッ、という電子音が鳴り、淡々と話していた同僚に対して思わず小さく溜息をついた。
頭の回転速度は異常に速く仕事は完璧にこなす信綱だが、私生活においては時々こうしてどこか抜けていることがある。

「どうだった?」
「今池袋だって。川越遅延してるからこれから上野向かうって」
「正盛が上野だからいいと言えばいいんだけど、なぁ?」
「そうだよなぁ、まぁメール忘れるとか信綱らしいけど」

とりあえず一番早く大宮に着くであろう宇都宮線に乗るため、二人で中央改札を抜けた。



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