「此処でお前を、殺せたなら…どれだけ、幸せかな…?」

押し倒して細い首に手をかけ、少しずつ、少しずつ、じわじわと力を込めていったなら、当然気管は狭まりひゅうと息が通る音がする。次第に呼吸が整わなくなり、荒い息遣いが聞こえてきた。
一度でいい、たった一度思い切り全体重を乗せ喉を潰してしまえば、この熱い温度を持った吐息はぱたりと止むだろう。

「人の手じゃなく、俺の手で、綺麗に殺して」

そう考えるだけで背がゾクゾクする。他人の手でこの愛しい命が終わるくらいなら、今自分で奪い取ってしまった方がいいじゃないか。
綺麗に殺して、日が許すぎりぎりまでずっと傍に置いて。そして俺自身が手にかけたこともあり、こいつの中に俺という消えない深い傷を付ける。

「死んでくれるか?俺の、我侭に付き合って」
「…よろ、こ…んで」

こんな状況でも相変わらず笑って返してくれるのは、きっと俺達の関係があまりにも特殊に出来ているから。



(単なる我侭によって此処で殺してしまうのも素敵だけど、それよりもお前が居るこの世界を俺は生きていたいんだ!)









貴方は私の世界だから、どうぞ御自由に



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