※上杉sideで定勝とか



渡された書状には上洛命令。その中には明らかに徳川将軍を守護せよとの意図が含まれている。
正面からそのことを言ったとしても、きちんとした事柄ならば断ったりしないのに。ただそう思った。


必要とされるならば誰にだって手を貸す、例え己に利が無くとも。利を求めている訳ではない、むしろはっきり言ってしまえばいいのだ。

そのようなものは要らない、と。
それがこの上杉家。

「如何致しましょう?」
「受ける他、無いだろう」

不識庵様のことを知る人物は、もう居なくなってしまったかもしれない。しかし父様のことを知っている人物はまだまだ沢山残っているであろう。
ならば知らしめてやればいい、上杉の義は変わらぬと。何代経ようともそれは、決して揺らがないと。

「見せ付けてやろうではないか、我等が義を」

利ではなく義を、それは例え徳川の世に時代が変わろうとも、変わらない真実だから。

貴方がこの手を必要だと言うならばいくらでも喜んで貸しましょう。
ただし、そこに義があるのならば。









利は彼の手に、義は我の手に



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