似ている、とは思う。甘いものが好きだとか、細かい作業が苦手とか、あと猫舌なのもそうだ。
でも別に兄弟とかじゃなくてただの従兄弟同士なだけ。だから血は、少しだけ近い。
「作、」
すれ違い様に腕を掴んで呼び止める。でも怒った様子もなくて普通に首を傾げるだけ。
「小平?」
「二刻後、手空く?」
「空く、けど…?」
片手に書類やら何やらをたくさん抱えて、きっとまたいろんな人から仕事を引き受けたんだろうなぁ、なんて思ってしまう。
作十郎はいつもそうだ。ほっておけなくてついつい何でも自分でやろうとする。
そう言ったらお前も同じだろう、と言われたっけ。
俺は人がやるより自分がやった方が早いなら自分で全部済ましてしまう。
そう考えると、やっぱり同じなのかもしれない。
「甘いの、食べない?」
「え、」
「何」
「俺も同じこと言おうとしてた」
お互いの言葉を聞いてほとんど同時に笑い合った。本当に、似ている。
「長四郎から羊羹貰ったんだ」
「俺はわらび餅貰った」
「「…だよな!」」
いっそのこと中途半端なんかでなく、気持ち悪いくらい似ているからいいのかもしれない。
お前となら例え双子でもよかったかもしれない。
近いのは血だけじゃない